藍-5
「忘れない。このセックスを絶対に忘れない」
「うん。私も」
首筋にキスをしながら
私を抱きしめて律動を繰り返す。
「愛してるよ」
何回も何回も繰り返すその言葉のどこに
未来を感じればいいんだろう。
「愛してるわ」
何回も何回も答えるその言葉のどこに
約束を感じればいいんだろう。
お互いに心でカタい約束をして
相手を縛らないように決して言葉には出さずに
ただ愛してるよとその言葉に託した思いを。
いったい、どこまで心の支えにしろというのか―――
私を抱きしめる腕に力が入って
キスが唇に戻ってきた。
「はぁ・・・ぁ・・・・・ぁ」
身体中を撫でられ
私の身体ごと、記憶に閉じ込めるように。
段々と律動が早くなって
息が上がる。
私も愛してると心の中で何回も叫び
奏くんを抱きしめる腕に力を込める。
「かなで・・・く・・・んっ」
私を、置いて行かないで。
私を忘れないで。
「あかねさんっ」
言いたくて言えない言葉の代わりに。
愛してると涙とともに体からあふれだす。
「んぁぁ・・・・ぁ」