補足とあとがき −ネタバレあり−-1
<補足>
彼女たちのラストネーム、ミドルネームは、現存の小惑星帯に由来します。
ミアヘレナ:2911 Miahelena / ケレス:1 Ceres
オリョーフ:5823 Oryo(“おりょう”) / ハイディ:2521 Heidi(“ハイジ”)
プラスケット:2905 Plaskett / クセルクセス:7211 Xerxes
ゲフィオニア:1272 Gefion(ゲフィオン) Gefion Family(ゲフィオン族)
各々の頭の数字は、小惑星番号というものです。よかったら調べてみてください。
「オリョー府(御龍府?)」や「ゲフィオニア」という呼称は現存しませんが、現代から一〇三九〇年までの間に行政上そう呼ばれる場所が小惑星帯に存在していた、という設定です。
“問題意識とは、これが、元はこの木星圏そのものを指す用語だったということだ。歴史時代、そう呼ばれて蔑まれていたこの木星圏のため、われらの祖は誇りをかけて闘った。戦争は長期間に及び、多くの犠牲を払ってわれわれは独立を勝ち取った。”
〔Y.ナディーカ ナディーカ語り(7) より〕
また、蛇足かもしれませんが、同じY.ナディーカのナディーカ語り(3)にある「カイメー様式」とは、「開明様式」です。
“天井の高い多柱式の回廊や丸天井の
〔[.星々の
<あとがき>
官能小説であとがきを書く例は少ないかもしれませんが、少しだけ書きます。
最後まで読んでいただければ、なんとなくわかると思うのですが、この世界では、少なくともこの一〇三九〇年という年の星としての主体は、スガーニーなんですね。オイオではなく(政府としては、ナディーカ率いるスガーニーの中央政府ということになります)。
そしてこの物語自体、主人公は調教士の男性なのかルリア・ミアヘレナなのか‥‥という点も、難しいところだと思います。
これは、あくまで作者の見方ですので、皆さまがどう受け取っていただくかはもちろん自由です。
二人称と一人称の組み合わせもそうですが、なぜこんな変な形式になったのかは、うまく言えません。
作者お気に入りのキャラは、もちろんタイトルにもあるルリアとリリアのミアヘレナ姉妹です。が、「コンビ」という観点からは、ナディーカとジェニファーの二人組が、書いていて妙に面白かったです。
ミドリとジャニスさんももちろん気に入っていますので、もっと「活躍」させたかったのですが、やはり「あなた」とルリアの物語ですので、これくらいに収めました。
スガーニーの「ザヴォーズ」は、スペルを書くと「Zavokhoz」となると思います。ロシア語の「Zavod(工場)」という単語と、「コルホーズ(集団農場)」「ソフホーズ(ソビエト農場)」という、昔のソ連にあった組織の名称をかけあわせた造語です。
「内務省」というのは、聞き慣れないと思いますが作者の造語ではなく、ちゃんとした単語です。昔、日本にもありました。
あまりネタばらしをしてしまうとつまらなくなるので、この辺りはこのくらいにしておきます。
続編は、忘れるくらい気長に待っていただければ、と思います。
刻一刻と迫り来る新勢力との
新勢力の科学技術はどのようなものか、また今作における最もかわいそうなキャラは「黒調教士」だと思いますが彼の
ただ、ケーミンフ条約機構軍長官ルリア・ミアヘレナの
(‥‥ナディーカが使った催淫剤Y−5、YY−5、Y−6、そしてそれらの発展型らしいYY−6、そしてY−7は、確かに、木星に確実に飲み込まれるよう、宇宙空間に射出されました。でも、木星に吸い込まれて消滅したのを確認できたわけではありませんね。そして「ザヴォーズ」も残ったままです‥‥‥‥‥‥)
繰り返しになりますが、忘れるくらいに気長にお待ちいただければ、と思います。
好きで書いているのですが、職業作家ではないので、やはり限界があります。
皆さまが閲覧・評価してくださることが、作品アップのモチベーションになったことは、言うまでもありません。お楽しみいただけたら、幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
二〇一五年五月八日
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