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虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

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なんとなく、理由も分からずにウキウキした気分で
待ち合わせの場所に行ってみると
すでに奏くんは来ていて。
こちらに気づかずにため息をついた。

「何?デート前にため息?失礼じゃない?」

そう笑って声をかけると少し慌てて。
「あ。ごめん。いや。どうなるか心配で」
ともう1度軽いため息をついた。

「何?どうなるかって」
「いや。あの」
「なぁに?」

私が意地悪く聞けば
観念したように「デートが初めてだから。とりあえず人に聞いた」と
白状した。

私は可笑しくなって
でも吹き出さないように、「で?なんだって?」と
問い詰めれば
「とりあえず、年上のお姉さんだから下手に俺の知識より
相手に聞いたらどうかって話にまとまった」
そこで私は我慢が出来ずにプッと吹き出した。

「女に初デートのプランを考えさせるなんて聞いたことない」

「うん。そうだよな」

申し訳なさそうに頭をかいて
「ごめん」と素直に謝った。

5月の風は爽やかで。
良い車でのドライブとか
お金をかけたデートなんて
とってもつまらないものに思えてきて。

「いいよ。ゆっくり歩こうか」

と、手をつないで歩きだした。



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