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妖怪艶義〜かまいたち〜
【複数プレイ 官能小説】

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エピローグ-1

5
例によって目覚めたのは朝になってからで、通勤途中のサラリーマン(しかも前と同じ人)に発見された。

‘切られた’のを思い出して内心ひやっとしたが、発見された時にはちゃんと服は着ていた。たぶん‘切る’というのは言葉の綾で、実際は手品みたいに一瞬で脱がすものらしい。そしてやっぱり服は着せといてくれるあたり、妖怪の妙な律儀さを感じる。もちろん体にも‘切られた’ところはない。…散々搾られはしたけど。

夕凪は自分たちを「鎌鼬」と名乗っていたけど、確かに岐阜の辺りでは、この妖怪は3人組で現れるらしい。そういえば昔読んだ「ブラック・ジャック」にも、そんな事がかいてあった気がする。しかも3人は親子とも兄弟ともいわれるらしいから、3人姉妹の鎌鼬だっていてもいい気がする。

そしてやっぱり翌晩には、あの‘路地’は影も形も無くなっていたのだった。

――実は来月から、あまりこの道を通らなくなる。これもアベノミクスの影響か、俺もやっとこ定職に就き、通勤路が変わってしまうからだ。

・・・・でもまぁ、別に遠くへ引っ越すわけでなし、二度ある事は三度あるとも言うから――気が向いた晩(それも雨の日が狙い目なのかもしれない)には、またふらっと、ここを通りに来ようと思う。


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