調教士として(26)-1
数日後。早朝――。
「調教士殿‥‥!」
朝食を終え、多柱式の通路を歩いていると、あなたの名前を呼ぶ声がした。
振り向かなくても、その光景を見なくても、声で主はわかった。スガーニーに来てからの日々が、それを可能にしていた。女軍人ジェニファーだ。
あなたたちは、ケーミンフからレアンドラのアグラウラ宮に戻っていた。コンジャンクションは終わり、条約の調印も終わり、日々に落ち着きが戻ってきていた。この通路も単独で重力の変更が可能なようで、そのときは1Gにされていた。また、「通路」としてきたが、ケーミンフの「遺跡」を見た後では、ここは通路として使っているだけで、「多柱回廊」とでも呼ぶべきエリアなのだということもわかってきた。そしてまた、太い柱の装飾は、単なる飾りではなく、この世界の歴史等が描かれているらしいことも、あなたは段々わかってきていた。――光景とは、その長大なエリアの柱々の間から、三人の女が地球で言うTシャツ姿であなたの元へ駆けてくるという光景だった。汗で透けた布地の下で巨乳を揺らしながら‥‥。
ジョギングという習慣自体が存在していなかったのはこのスガーニーも同じだったが、ルリアはジェニファーに提案する形で、彼女を誘って、こうしてオイオでと同じように、毎朝の日課としていたのだった。
あなたにとって問題だった
吸収はいいのかもしれないが、地球の普通のTシャツよりも、汗で濡れることにより、その製品は容易に透け透けになるのであった。
三人の布地は、光る健康的な汗により、まるで透明度の高い布のようになっていた。そのボディライン――特に
「どうだ、ジェニファー。いいだろう、このジョギングというのは。わが軍は正式課程として採用を決定した。スガーニー国軍もどうだ、採り入れては?」
ルリアがニコニコして、ジェニファーに言う。
「‥‥‥‥。たしかに、健康にはいい気もするが――」
ジェニファー・プラスケットは言いつつ、あなたと同じものにちらちらと目をやって、困惑気味だった。――つまり、乳首や乳輪までをきめ細かく浮かび上がらせて、大きく盛り上がっているルリアのおっぱいだ。ルリアは前と同じく、完全には足を止めずに、その場で軽く足踏みしている。拘束ブラどころか普通のブラジャーすら着けていない、透け布地のPカップが、すぐ横で重たげにゆっさゆっさリズミカルに揺れているのだ。ジェニファーの顔は赤らんでいた。
「せっかく放映設備が整ったんだ。これを生かさない手はないだろう。もう少し落ち着いたら、これを木星圏中に、健康運動として広めようとも思うんだ。実はもう、ナディーカ姫には進言しておいてある。啓蒙のための
言われたミドリも、やはりあなたたちと同じものから目が離せないらしく、赤面していた。
(まだ、本来のジョギングと違うんだが‥‥)
あなたは、言うべきか否か、オイオでと同じ煩悶に陥ることになった‥‥。
そしてそのミドリも、ジェニファーも、ルリアほどのボリュームはないにせよ同じ状態の自分たちの胸が気になるらしく、腕やタオルで隠そうとはしていたが、ふたりの健康的な巨乳は、そんな真似で隠せるようなものではなく、同じように汗で透け、あなたを惑わせた。そして、布地はそれなりのやわらかい素材のようだったが、調教された三人ともそこに衣擦れを感じているようだった。
また、Pカップ、としたが、よく考えてみたらそれは、コンジャンクション前にオイオで測った数値だ。ルリアのおっぱいは、あのときもまだ、なんというか、発育途上のようにあなたは感じていた。そしてまた、驚くべきことに、妹のリリアも、だった。ふたりとも見た目は――。
(さらに、大きくなってる気がする‥‥)
これは、計測しなおしてみる必要があるだろう。柱々と女たちに囲まれながら、あなたは腕組みして考えることになった。