@真理乃邸 後編-2
「朋子さんは英国で私を産んで、
マリーに預け帰国しました。
恭子さん朋子さん姉妹は、
日本では家格の高い一族の出身です。
得体の知れない私を受け入れることは、
出来なかったそうです。
英国の親類からも、
いかがわしいと、
私の存在は受け入れられませんでした。
マリーも私の人生に干渉しないようにと、
私から距離を置いていました。
日本に来て朋子さんと暮しましたが、
ギクシャクとして上手くはいきませんでした」
「朋子さんにとってナオさんは、
娘であり、姪であり、
…亡くなった姉そのものなのよね。
受け入れ難いのも理解できるわね」
「ゆえと知り合ってやっと、
自分の居場所を得た思いです。
母は、マリーは、
恭子さんを愛しているのか、私を愛しているのか、
未だに分かりません。
私は、マリーのエゴイズムの産物なのです」
「あのー、ナオさん」
「なぁに、ゆえ?」
「マリーさんと恭子さんも、おなか丈夫なんですか?」
「シッ!」