ずん田もち夫、誕生-1
下着姿で俺の身体に絡み付く肌は、息を呑むほど滑らかで、絹のような肌とはこういうことをいうのだ、と初めて思った。
頬や首筋を優しく撫でられているだけなのに、身体が勝手に反応してしまう。
勝手に噴き出す汗。勝手に荒くなる息。勝手に粟立つ肌。そして――。
「あら、やっぱりここは正直ね」
なんて、バカにしたような笑みで、デニムの上からそそり勃つぺニスを撫でられた瞬間、頭の中の張りつめた糸がぷっつり切れた。
俺の身体をなで回す手を掴み上げ、強引に唇を重ねてやる。
「んっ……」
そして有無を言わさぬままに、カヨをソファーに突き飛ばした。
「そんなに言うなら抱いてやるよ」
それなりに裕福な家庭環境に生まれた俺。
悪くはない容姿と、それなりの成績と運動神経。そして持ち前の明るい性格で、いつも人の輪の中心にいた俺は、スクールカーストの上位にいる人間だった。
そんな俺が実はプライドが高いのは、当然っちゃ当然で、だからこそカヨの舐めきった態度がカンに触ったのだ。
もう糸の切れた俺は、やけくそになってただ冷たい目でカヨを見下ろす。
その時初めて、カヨの瞳がわずかに泳いだ。
カヨがヤクザのボスの女でも、ヤクザ共に見られていても、それすらどうでもよかった。
ただ、目の前の女の余裕なツラに一泡吹かせてやりたい。それだけだった。
「……ガキだと思って甘くみんなよ」
間髪入れずにカヨに覆い被さった俺は、もう一度彼女にキスをした。
誰かがヒューッと口笛を鳴らす。
「んっ、んん……」
俺の身体に手をまわして、髪を乱しながら唇に吸い付いてくるカヨは、見た目通り相当男慣れしていて、キス一つで身体が蕩けそうなほどだった。
俺の舌の動きを邪魔しないように、それでいて彼女の舌も果敢に俺の口内を犯してくる。
ジュコ、と唾液を吸い上げる音や、ざらついた舌、ツルツルした歯の感覚。
今まで抱いてきた女の子の誰よりも激しく唇を求め合った。