ずん田もち夫、誕生-4
津田は、ソファーに座っていたカヨの両脇を抱え、ゆっくり立ち上がらせた。
そして、綺麗にパーマがかかった髪を撫でてから、ゆっくりキスをする。
小鳥のように啄むキスを何度も繰り返す、津田とカヨ。
互いの唇を吸い上げる音が、やけに静まり返った部屋に響いた。
「んん……」
キスをしては見つめ合い、見つめ合ってはキスをして。
初対面の俺でも、この二人は恋人同士の関係じゃないってわかるのに、二人の交わすキスシーンはまるで本当の恋人同士のそれに見えて、さっきまでの俺に向けていた表情とまるで違うカヨに戸惑っていた。
やがて触れるだけのキスは、ディープなものになっていく。
開いた唇から舌を突きだし、絡め合うと、唾液の糸が西日に反射して、やけにきらきら輝いていた。
その間の津田は、片手はカヨをしっかり抱きしめ、もう片方の手で露になった胸を優しく愛撫していた。
キスをしながら漏れるカヨの吐息は、控えめでくぐもっていて、それがやけに色っぽい。
津田を見つめる視線は、トロンと蕩けているようで、あんないい女を恍惚の表情にさせる津田に、言い様のない感情が芽生えるのだった。
津田の唇は徐々に降下していき、その張りのある肌に吸い付くような口づけを落としていく。
その度にカヨは短い喘ぎを漏らしながらも、果敢に津田のネクタイをするする外し、ワイシャツのボタンを一つ一つ手際よく外していった。
津田とカヨが裸になるのはあっという間で、スリムだけど出るとこは出ているカヨに対し、津田の筋肉質なガタイに、男と女であることをまざまざと見せつけられたような気がした。
不意に津田と目が合えば、奴は唇の端を歪める、挑発的な笑みを見せる。
そして、カヨの背後に回った津田は、彼女の右膝の裏に手を入れると、それをグッと持ち上げた。