絶望のKISS-7
「あたる、CDありがとうね、良い曲だったよ。」
「だろう?近くの店で売ってるから良かったら買いなよ。」
休み時間、自分の席に腰を下す彼とワキアイアイと会話を弾ませる早乙女さん。
彼女の事はもう先輩…、とは呼ばない。今までは憧れの敬意を示し、先輩、と呼んでいたが、今の彼女はただの恋敵。
「佐伯君、お早う!今日は朝、会ってないよね?」
「あぁそうだな、朝練やってたし。」
私は二人の間に入り、彼に声を掛ける。
「ちょっと……。」
案の定、顔を曇らせる彼女。
「ねぇ、良かったら一緒に体育館に行きません?私もちょっとバスケットボールがやりたくなりまして。」
「バスケで良いだろう、ホント変わった奴、うーん、そうだなぁ。」
腕を組み思考を巡らせ。
「よしっ!良いぜ。と言う訳で先輩、また後で。」
「あっ……。」
本当はバスケ何てどうでも良かった。臆病で常に周りの反応に怯えていた私が、開いてが嫌がると判っていてこのような行為に及ぶ何て…。
人に恋をすると女は変わるのか。不思議と罪悪感という物は感じず。
私は彼と共に教室から姿を消し。その扉を般若のような鬼の形相で睨む彼女。
「そう……、そういう事。」