絶望のKISS-6
「もう、大丈夫?」
「うん、ありがとう。」
それから私は、再び巴ちゃん家へ行き、傷心した私を、黙って包み込むように抱きしめてくれた。
「勝手な人ね、若葉の気持ちも知らんと。」
「でも、私のせいで彼以外にも苦しめていた、だなんて。」
「なーによ、また自分を責める訳?アイツは敵よ敵、いわゆる恋敵。」
「恋敵って、早乙女先輩からしたらはた迷惑な話で。」
これで、私も巴ちゃんと一緒…、何だか先輩が告白する前の私に見えてきた。
「私も、巴ちゃんと一緒だね、先輩に問い詰められて、反論した時、思った。」
「若葉………、馬鹿ぁっ!」
「!?巴ちゃん…。」
「何よ!そんな泣き言、私がいつ求めた?」
「?」
「アンタはさぁ、彼の事が好きじゃない訳?」
「そりゃー好きだよ、でもっ、彼は私何て好きじゃない、そして付き合って居る人がいる
…振り向いて貰う何て、出来ないよ。」
「若葉、私はね、出来るかどうか聞いてるんじゃない!アンタがどうしたいかを聞いているの…。」
「それだったら、彼に佐伯君に、振り向いて貰いたい、そして今度は、友達としてではなく、一人の、恋人として。」
「……だったらその信念は曲げるなっ!」
「でもっ!それじゃー、彼女に迷惑。」
「例え迷惑でも何でも、やりたい叶えたい事の為ならそんなのお構いなく進むもの!」
「巴、ちゃん。」
真剣な眼差しで私を見つめ、そして私を抱きしめ、こう言う。
「アンタには…、私と同じ想いをして欲しくないの…。」
「!!」
そうだ、私は彼女の期待その想いに応える義務だってある。
なら、私がする事は一つしかない。