絶望のKISS-3
「偉いっ!」
「そんな、別に偉くないよぉー。」
放課後、いつものモスドで大好きなドーナツを広げ、巴ちゃんと会話をする。
「私の勝手な思いで彼を困らせちゃったから。」
「そんな謙虚な、良いでしょ!それくらい。」
「でも、一晩中想い悩んでたって。」
「冷血な彼がそこまで。」
「酷いなぁー。」
「彼よりアンタの事よ、本当にこのままでいいの?」
「…仕方がないよ、本気で好きでもない人と付き合ったってお互いの為にならないし、それに彼には恋人が居るんだよ?私何かより魅力的な女の子と。」
「もぅー、こーんな素直で可愛い子を振る何てアイツも見る目ないねぇー。」
「いやーだから仕方がないって!どーせ私みたいな腰巾着、どう頑張ったって彼は振り向いて何てくれないから…。」
「若葉…。」
「佐伯、君……。」
別に、気にしてなんか、ないから…。
「………。」
近くの席で私達の会話にひっそりと耳を傾ける茶髪の少女に私達は気付かないでいた。