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主婦亜沙美の生活 2nd season
【熟女/人妻 官能小説】

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プロローグ-1

”さぁ今日の私は忙しいですよ〜
久しぶりに電車に乗って北九州までいってきます。
友達のダンスの発表会があるから応援に行くんですよ。

どんな格好しようかなぁ^o^

この前ね、高校生の息子と娘と3人で久しぶりに映画に行ったんですよ、ホントもう何年ぶりかに息子も一緒に来たんですよね。

普通に膝上のスカートとハイソックス、ロングブーツで上はセーターとコートを着てたら娘に「服装が若過ぎじゃない?」って言われました。
だから息子に「どう?」って聞いたら「ギリギリOKじゃない」って…。
ギリギリって(^^;;

今日もギリギリOKの格好で行ってきますね。”


知り合ってからもう2年になるメル友の市村にメールを送り、化粧準備をするため、バスルームに向かった。

市村とはあるコミュニティサイトで知り合い、メールを交わすようになったが実際に会ったことはなく、大阪在住の67歳の男性らしい。
ただ、私にとってはどこの誰でも特に問題はなかった。市村が良き相談相手であり、話相手であることには変わりないのだから。


洗顔しているとiPhoneがメールの着信を知らせた。

”行ってらっしゃい。
変な虫が寄ってこないように気を付けて下さいね。
あなたに付きまとう虫は僕一人で十分なんだから。

何はともあれ、いつも忙しくしてるんだからたまには羽を伸ばして楽しんできてね。
と言っても変な虫に付いて行かないように!いいね?”


市村とはよくじゃれ合うような際どい会話のメールを楽しんでいて、まだ朝だと言うのにこんな内容を送ってきた市村に苦笑いしながら返信した。

"は〜い。気を付けます。
と言ってももうすぐ40のおばさんなんか誰も寄り付かないですよ。
そんな物好きは市村さんくらいのもんですよ。

それじゃ、ちょっと準備に集中しますね。"


その後もメールの着信を見たが無視をして出かける準備に没頭した。

鏡台の前に座ると鏡の中にはくたびれたごく普通の主婦がいる。
学生やOLの頃は何度か告白を受けたし、ナンパに遭うことも珍しくもなく、子供が小さい頃は綺麗なママで通っていた、それなりに自信もあった。
でもいつからだろう、自信を持って鏡を見れなくなったのは…、くたびれたおばさんが鏡に写るようになったのは…

でも私は鏡台の前に座るこの時間が一番好きだった。
小筆で頬を撫でる度、口紅を塗る度に、昔の自分に戻っていく。
それ程厚化粧とは思わないが、すっぴんとは別人のようだった。
若い頃によく似てると言われた芸能人の田中美奈子さんや高木美保さんに似てると言われれば似ているような気もする。

化粧を終える時には今でも九州の小さなモデル事務所に所属する後藤亜沙美が鏡の中にいた。
私は彼女に微笑み、肩までのダークブラウンの髪にブラシを入れた。

首から上が完成した頃にはご機嫌になり、鼻歌交じりにクローゼットのドアを開いた。

「何着て行こっかなぁ〜♪」
「これなんか可愛いかなぁ〜♪」
「こっちもいいなぁ〜♪」

着ては脱ぎ、脱いでは着てを繰り返し、ファッションショーの結果、最近お気に入りにしてて、息子にギリギリOKと言われた、ライトブラウンのセーターにグレーの膝上のフレアスカート、それにダークグレーのショートコートとロングブーツを併せることにした。
仕上げにニーストッキングをはいて、姿見の前に立つと自信に満ちた女性がいる。
174cmの長身は体重に気を配っているおかげですらっと伸び、小ぶりなバストが上品に膨らみ、フレアスカートとニーストッキングの間に見える生脚の太ももが色気を漂わせている。

「よし!OKよ。ギリギリじゃないわよね。フフフ。」

入念にチェックした後、コートを片手に玄関に向かった。

3月と言うのにまだ寒く、ストッキングではなくニーストッキングを選んだことを後悔しながら「本当のオシャレには我慢が必要なのよ!」以前、友人に言われた言葉を口にしながら、寒さに震えながらバス停に向かった。


バス停に着くとすぐにバスが到着し、乗り込んだ後、温かさに安堵した私はiPhoneを取り出すと待ち合わせをしている友人の啓子からメールが来ていた。

啓子と私ともう一人の礼子は以前、同じダンス教室に通っていて、フラダンスのレッスンを受けていた。
歳も近く、3人とも関西出身ということもあり、すぐに仲良くなった私たちは啓子が引越しの関係で通えなくなり、教室を止め、私もパートの都合で止めた後もおしゃべりすることが多く、今日はまだダンスを続けている礼子を啓子と一緒に応援する予定にしていた。

”おはよう。今日も寒いね〜。
小倉には何時に着きそう?
by啓子ちゃん”

”今、家を出た所だから予定通り、12:30くらいには着けそうよ。
それにしても寒いね〜。オシャレは我慢って言うけどホントそうね…
by亜沙美ちゃん”

返信を送るとすぐに啓子からメールが届いた。

”それじゃ、こっちもそろそろ出かけるね。またあとでね。バイバイ”

久しぶりの啓子との再会を楽しみにしながらメールを交わした私はバスを降りて、予定通りに快速に乗った。

「さて…」ほっと一息つきながら空いている席に座り、コートを脱いだ後、バッグからiPhoneを取り出すと市村からのメールを見つけた。

”物好きもたくさんいますよ。
それに可憐な花に魅かれるのは虫の性です。

また時間があったらメール下さい。”


返信しようか迷った挙句、メールを送ると更に返信が来て終わりがないので送らず、少しに眠ることにした私は心の中で呟いた。

『ごめんね、市村さん。おやすみなさい』


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