闇よ美しく舞へ。『借り事』-4
そんな美闇の叫び声に、教室にいた生徒達も騒ぎ出すと、数人がすぐさま倒れた那緒の元へと駆け付けてくれた。
『きゃーーっ! 青柳さん!!』
クラスメイト達は、皆で那緒を助けようと奮闘するが。
「おい……まさか……青柳のやつ…… 死んでるんじゃねぇのかぁ」
既に那緒の息遣いは無く。
「馬鹿な事言うなっ! 早く先生呼んでこいよっ!」
「だれか救急車呼んでっ! ねぇっ早くーーっ!!」
クラス中がパニックに成っていた。
その後、『青柳 那緒(あおやぎ なお)』は急性心不全の為亡くなったと、正式に発表があり。誠慎(まことつつ)ましやかなれど、彼女の葬儀も執(と)り行われた。
美闇たちクラスメイトも彼女の葬儀に参列することとなり、誰もが早すぎる彼女の死を悔やんで、涙したのだった。
そんな最中。
「借りた物をちゃんと返してくれさえすれば、わたしも貴方の元気……寿命を返してあげたのに…… 残念だわ」
そう呟く美闇の声など、誰の耳にも入る事は無かった。