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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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告白-3

「ほーーらぁっ!餃子サービスだっ!お前ら!ガンガン喰え喰えっ!」

地元にある佐伯君行きつけのラーメン店、凛々軒。太い腕濃い小麦粉肌と豪快を絵に描いたような店主が、気前よく餃子をテーブルに置く。

「やったな!佐伯ぃ。」
「一時はどうなるかと思ったぜ。」

佐伯君と仲の良い部員数名が大会優勝に歓喜の声をあげる。

「いやー最後のシュート、決まったね。」
「周りの女の子達、キャーキャー言ってたよ。」
「いやー、あはは。」
「ホントは狙ってたんじゃねーのか?このキザ王子めぇっ!」
「いででででぇ!やめろ、おっちゃんっ!」

ここの店主と佐伯君は子供の頃からの付き合いらしく。ふと彼はケータイを目にし席を外し夜風に当たる。

私もつられるように彼の後を追う。そんな私を見て微笑む巴ちゃん。


「ふぅ……。」

ケータイをポッケに入れ、一息つく彼。

「ん?…あぁ、また君か。」

体育館と同じ展開、でも今度は表情が柔らかい。

「優勝、おめでとうございます。」
「あぁ!君のお蔭だよ。」
「そんな、私は何も…。」
「…急がば回れ。」
「!」

何処かで聞いた台詞。

「俺、どうかしてた。必ず勝たなきゃいけないって焦って、周りが見えてなかった。」
「……。」
「監督にも言われたよ、受験生だって受かりたいからって無理して夜中まで勉強したりはしないぞって…。」

巴ちゃんの言った通りだった、誠実で礼儀正しくて。

「そうだ!何かお礼しなくっちゃな、何が良い?」
「えぇー、そ、そ、そんなぁ、私は別に、ただ偉そうな事を言って。」
「全然偉そうじゃないって、ホント変わった奴だなぁー。言いなよ、今は何かお礼したい気分だし、何でもいいぜ?万引きしてこいって事以外は。」

彼からの急なチャンス、突然そんな事言われても。だが不意に巴ちゃんからの言葉を思い出す。

「今はきっと波が乗ってる筈、その波に遠慮する事なく乗っかるがいいさ!」

「……じゃ、じゃードーナツ1年分、いや。」
「?」
「…一緒に、水族館へ。」
「!」

顔を真っ赤に染めつつ、言い切った。とはいえデートに…、を付け足すのを忘れたが。

そんな私のお願いに、彼は以外にもうろたえ、そして。

「…デート、って事か?それ。」
「!?あ、あ、あ、べべべ別に、その、それは。」
「蓮達も一緒なら、いいけど?」

彼からの思わぬ提案、彼も流石に抵抗を感じたのかな。



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