調教士として(17)-1
ヴヴヴヴヴ‥‥!
「うう、う‥‥!」
あなたは、目の前に逆さに大きく広げられたナディーカ姫の局所に、バイブレーターを挿入していた。
数日が経過していた。ここは、あの黒調教士が残したいくつかの調教室のうちの一室である。あなたの隣では、ミドリが同じことを、女軍人ジェニファーに対して行なっていた。彼女らは、同じ側の手足を束ねて股を全開に広げられた格好で、頭を下に、後頭部から首の後ろを接地するような姿勢で固定されている。
コンジャンクションでルリアがやられたというポーズの上下逆だった。これは、彼女たちの仇討ちなのだ。
「やっ、やめて‥‥っ!」
あなたが挿入したバイブレーターをぐりぐりと動かすと、ナディーカ姫は大きく目を見開き、屈辱の姿で秘所からだらだらと愛液を流しながら悲鳴をあげる。すでに股間には溶液を塗布してあり、相当に敏感になっていた。あなたがさきほど、刷毛で内股をくすぐり責めした際には、
「やっ、やめ‥‥、ひっ‥‥ひゃあああん!」
と、姫は可愛い鳴き声をあげ、あなたがやめると、
「ふうん‥‥ふううううん‥‥!」
と、動かない体を動かして、あなたにおねだりしたものだ。今回も、
「やめる? 抜いちゃっていいのか? これを」
と、手の動きを止め、バイブレーターのスイッチを切ってあなたが意地悪く言うと、姫は、ぎゅっと眉根を寄せ、長い睫毛の目に涙をいっぱいに浮かべ、官能の声を出すのだ。
「ううっ‥‥。だ、だめ‥‥。やめちゃ、だめ‥‥」
「‥‥‥‥」
高貴な姫君の細い腹、みぞおち、そして小さな顔に被さるような逆さKカップの下乳縁へと、みだらな液体が流れてゆく。彼女も、それを感じているようだった。
「や、やめないで、ください‥‥。ご、ご主人さま‥‥」
‥‥あなたの隣のミドリも、ジェニファー・プラスケットに同じようなことをしていた。もっとも、鍛えられたジェニファーだからなのか、それともミドリの復讐心なのか、あなたよりも乱暴にやっているようだ。
「ひがっ‥‥! ひがあああああっ!」
と、ジェニファー・プラスケットは悲鳴というよりは絶叫をあげ、ミドリがこれも乱暴にバイブレーターを引き抜くと、ブシュウーッ、ブシュ、ブシュシュッ!‥‥と、激しく愛液を吹き上げていた。
ナディーカは、首を曲げ、恐怖の表情でその模様を見ている。
あなたは、なんだか気の毒になってきた。元々、そんなにサドの気があるほうではないのだ。
しばしの逡巡の後、あなたは、ナディーカからそっとバイブレーターを抜き取った。そして、彼女の枷を外してやると、身体を起こして座らせてやった。
「‥‥‥‥?」
姫は、脚を開いて膝を曲げた格好でぺたんとしゃがみ込み、幾筋かの透きとおる金髪越しに、まだ泣き腫らした跡の残るきれいな目で、怪訝そうにあなたを見つめた。
横でも、音と声が止んでいた。
ミドリと、逆さのままのジェニファー・プラスケットが、やはり怪訝そうにあなたのほうを見ていた。
ガシュ‥‥。
ドアが開いて、ルリアが入ってきた。
ナディーカが開発・生産させていた液体式の媚薬――催淫剤の類は、すべて、廃棄されることになった。スガーニーが例の辺獄刑に使う予定だった、宇宙艇を含む空間放出プログラムがあり、それをそのまま転用したようだ。容器を入れた幾つものカプセルが、木星に確実に飲み込まれるよう、速度をつけて順に射出されていった。その射出の現場には、あなたもルリアとともに立ち会い、ちゃんと行なわれているか確認した。
Y−5、YY−5、Y−6‥‥と表記された容器が大半だった。が、それらに混じり、YY−6、そしてY−7と記された容器も、ひとつずつあった。ナディーカ経由の情報によれば、「ザヴォーズ」というオイオで言う工廠のような開発機関が試作したばかりで、これらについては、彼女も詳しくは把握していなかった、ということだった。
「ザヴォーズ」の機構までは詳しくはわからなかったが、もしこの機関が暴走していたら‥‥と考えると、そのときあなたは戦慄も覚えたのだった。
「ルリアさま、どうしてですか!」
ルリアは、ミドリにもジェニファーへの責めをやめさせると、自らジェニファーの戒めを解き、ナディーカとシャワーを浴びに行かせたのだった。
立ち去ってゆくふたりの背をじっと見送っていたルリアだったが、ミドリの抗議の声にハッとしたように向き直った。
「え‥‥。あ、い、いや‥‥わたしは別に、何も‥‥」
「どうかされたのですか? ――なぜやめるんです、ここで!」
ミドリは怒っていた。ナディーカ姫とジェニファーのいまのは、さっきのポーズで最初に「写真」数枚と短い映像は撮ったものの、追尾カメラは動かしていなかった。が、部屋の天井に備え付けの固定カメラと集音機はあり、ルリアは、それを別室で見ているうちにいたたまれなくなった、という説明だった。
「もう、甘いです! 甘いですよルリアさま! お優しすぎます‥‥! あれらが誰か。オイオに、木星圏全土にどんな仕打ちをしてきたか、もうお忘れになったのですか!」
「いや、忘れたわけではないが‥‥」
「――妹のリリアさんだって、そうです。お聞きになったでしょう? どんな仕打ちを受けてきたか!」
「うーむ‥‥」
ルリアは、豊かな胸に腕組みして、黙り込んだ。が、ややあって、今度はあなたに向き直った。
「それはそうだが‥‥おまえも、楽しいか?」
「‥‥‥‥」
「おまえが好きなのは、おっぱい、だろう?」
図星だった。
「――いや、おまえひとりの趣向に帰するのは、卑怯か‥‥。――だから、わたしたちが、と言うべきか‥‥」
「‥‥‥‥」
そこでルリアは、やおらオーガンカードを取り出した。あなたも含めたその場の全員が、女戦士が何をするのか、と固唾を呑んで見守った。
「わたしでもよいのだが‥‥」
ルリアは、オーガンカードを何やら操作した。
ガシュ‥‥。
再びドアがスライドし、ジャニスさんとリリアが入室してきた。
ふたりとも、初めて見るメイド服を着ていた。服――といってもそれは、上半身は腕の分だけの、おっぱいから下腹部にかけて丸出し式のものだった。
ぷるるるん。Nカップの爆乳と、Pカップ魔双乳とが、揺れた。