各衛星の設定-1
作中で登場または紹介される各衛星の設定メモです。
こちらも「本文こそすべて」との考えから、極力作中に盛り込みますが、一部、作中で表現されない設定もあります。お読みいただく際の参考にしてください。
なお、このメモ自体が作中の世界で書かれたという体裁を保つために、現在での名称等をあらかじめここに記しておきます。
オイオは現在のイオ(Io)、トゥーロパは現在のエウロパ(Europa)、スガーニーは現在のガニメデ(Ganymede)、フカリスは現在のカリスト(Callisto)です。
これらは、現在ではガリレオ衛星と呼ばれる木星(Jupiter)の四つの衛星のことです。個人的には「(木星の)四大衛星」という表現がしっくりきます。また、木星にはこれらの他にも多数の衛星があります。
馴染みのある天体と大きさを比較すると、次のようになります。衛星ですが、かなり大きいのです。
地球>金星>火星>ガニメデ>タイタン(Titan / Saturn Six Titan 土星の衛星)>水星>カリスト>イオ>月(地球の衛星の「月」)>エウロパ
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一〇三九〇年の四大衛星国家
−スガーニーの台頭と対抗勢力−
各星とも、国家はおもに中央政府を取り上げ、その後に著名な都市について記述した。
オイオ(Oio):
古名:ジョイオ(Joio)
天体としての正式名称:ジュピター・ワン・イオ(Jupiter One Io)。
首都:エウドシア
標準重力:0.183 G
長く続いた中央政府の王政は、近年その機能を停止した。食料自給率の高さもあり、比較的閉鎖的な経済を形成している。産業は軽工業中心。軍艦は少ないが、限られた軍事費を防衛ミサイル網に集中して投入しており、その防衛力はかなり高いと見られている。これらがスガーニーへの強気の源である。
エウドシア:かつての栄華はなお美しく保たれており、近代化との折り合いをどうつけるかが、都市の命運を定める。
ペリンツィア:オダ・ペリンツィア地方は旧い歴史と伝統文化を持つ。かつてオイオの首都でもあり、現在は観光都市として木星圏中に知られている。
トゥーロパ(Twuropa)
古名:ジェトゥーロパ(Jtwuropa)
天体としての正式名称:ジュピター・トゥー・エウロパ(Jupiter Two Europa)
首都:イシドラ
標準重力:0.135 G
過去十数年にわたり経済的には力をつけてきたが、旧中央政府は第一次トゥーロパ戦役により崩壊。その後スガーニーが後押しする新政府ができたが、トゥーロパ解放戦線等による抵抗運動で不安定な状態が続いていた。
イシドラ:東西に長く、行政上も東イシドラと西イシドラに区分されている。第二次トゥーロパ戦役以降は戦場になることはなく、秩序は回復しているが、東西の格差が大きい。
スガーニー(Thgany)
古名:ジェスガーニーメデ(Jthganymede)
天体としての正式名称:ジュピター・スリー・ガニメデ(Jupiter Three Ganymede)
首都:ケーミンフ → レアンドラ
標準重力:0.1449 G
一〇三九〇年時の木星圏において、突出した軍事力を持つ強国。産業は重工業中心だが、先進技術を用いた軽工業分野でも成果を出しつつある。
星内の統一は四衛星中で最も進み、近年の遷都をはじめとする、中央政府の大胆で強力な政策への支持は厚い。しかし、軍事費ほか都市建設の費用もまた、かなりのものとなりつつある。
レアンドラ:木星圏一の人口を有し、新首都となって以降も精力的に都市建設が進められている。
ケーミンフ:旧首府。同市東部にある歴史時代の城郭からこの名が付けられた。また歴史時代の遺跡も有し、近年は観光にも力を入れている。ペリンツィアとは姉妹都市。
フカリス(Fcallis)
古名:ジェフカリスト(Jfcallisto)
天体としての正式名称:ジュピター・フォー・カリスト(Jupiter Four Callisto)
首都:ファドラ
標準重力:0.1265 G
旧くからのメイド文化を持つ。中央政府はかつては木星圏一の経済力を有したが、没落した。各地方政府の権限が強く、星内の統一は四衛星中で最も遅れていた。しかし中央政府は、第一次、第二次トゥーロパ戦役を経て、スガーニーとの同盟を確かなものとした。
ファドラ:長く戦場になることはなく、都市としては安定している。しかし、中央政府が「ファドラの政府」という言い方をされるほど、フカリス星の各地方の意識は独立している。
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