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闘犬
【その他 官能小説】

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千載一遇-1

人生には神の悪戯としか思えない偶然が起こる事がある。

高校生になった一秋は日曜日に一人で家にいた。何もする事が無く居間でテレビを見ていると、噺家と新婚夫婦の会話でさえ性的な興奮を感じてしまいテレビの会話に耳を傾けた。
番組が終わるとテレビ台の下に数日前から置かれている紙袋が気になり中身を確認する。ビデオテープが数本入っており、「渦潮」「○○大会」などとタイトルが書かれ、父が白石から貰ったか借りたかしたビデオテープである事は容易に想像が出来た。暇にまかせて1本を再生してみる、にらみ合う闘犬を大勢の男達が囃し立て、綱を引く。ハンディカムで撮影された物であった。20分を過ぎた当たりで映像が変わり、2頭の土佐犬がウロウロしながら戯れ合う様になり、やがて交尾を始めた。犬とは言え、土佐犬ほどの大型犬の交尾は一秋には刺激的な映像で、さらに時々背景に菜穂子が映り、迷わず一秋はティッシュを用意した。しかし交尾のシーンは途中で切れてしまい、画面が青くなった。数分後にホワイトノイズ、良く言う砂の嵐になったがビデオを止めず、パンツを下げて勃起したペニスをしごき始めた。犬の交尾を見てニヤツく菜穂子を思い出してオナニーをしていた、途中でテレビの画面にホワイトノイズが瞬間だが何かが映る事に気づいた。数分に一度、一瞬何かが映る、ビデオに意識を取られた。何度か再生ポーズを押しても確認出来ず、早送りでテープを進めてみた。ビデオデッキのタイマーが1時間20分を過ぎた当たりで映像が現れた。再生すると、薄暗い部屋で抱き合う裸の男女が映っていた。重ね撮りしたビデオの消し忘れの様であった。一秋は息を呑み映像の始めへ巻き戻しをした。

身体を震わせ再生ボタンを押す。少し乱れた映像の後で女性のヨガリ声とゆっくり腰を振っている男性が映る、よく見るとそれは間違えなく白石夫婦であった。闘犬好きの白石が高価なハンディカムを持っているのは知っていたが、自分達の営みを撮影していた事は一秋にとってあまりのショックだった。初めて聞く女性のヨガリ声が一秋の一番意中の菜穂子の声であり、初めて見たセックスのビデオが菜穂子のセックスである。

映像は進むと旦那が菜穂子を抱える様に身体を起こし、あぐら座りをして菜穂子と向き合い自分の上に腰を下ろさせた。
「うん〜ん。」恍惚な表情の菜穂子の顔が映る、一秋の胸は張り裂けそうだった。菜穂子が腰をグラインドさせると旦那は菜穂子の乳首を指で摘んだ。一秋は痛いくらいに勃起したペニスを握る、頭がクラクラしそうに心臓が速く鼓動した。
「あうっ、あーんっ。はぁ〜ん。」菜穂子が喘ぎながら腰を速く動かし始める、旦那も合わせる様に腰を上下させると菜穂子は大きな白いオッパイが激しく揺らしながら後ろへ身体を反らせた。
「あぁー、イク。イク。」身体を起こし、眉間にシワを寄せて菜穂子は旦那にしがみつく。カメラに菜穂子のぼやけた顔がアップされた。1秒くらいだろうか、カメラが自動でピントを調整するとエクスタシーに達した菜穂子の表情が大きく映っていた。一秋がどれほどの興奮と快感の中に射精をしたのか、ティッシュを取る間もなくソファーに精子を撒き散らしていた。
映像はまだ続き、菜穂子が旦那の股間に顔を寄せると、旦那の腰の向こうで菜穂子の頭が上下に動いていた。

一秋はビデオを止めた。急いで巻き戻し、ソファーの汚れを拭き取ると、ズボンを履き、残りのビデオも全て確認した。夫婦の消し忘れがあったのは一本だけだった。一秋の父がまだ見ていない事は想像出来た。他のビデオテープを元の様に戻し、1本だけ部屋に持ち去った。数日間は家族の様子を窺っていたが、誰も気づいていない事を一秋は確信した。

天使が授けた宝物と欲望の悪魔を同時に手に入れてしまった。家族の留守を待ち望んだ。留守番の度にビデオにかじり付いた。どれほどビデオを見ただろうか?どれほど菜穂子のセックスを見て射精した事だろうか?
ビデオは菜穂子がフェラチオをした後、正常位で旦那が挿入し、数回の喘ぎ声の聞こえ、二人の動きが止まる。数秒後に旦那が起き上がりカメラに手を伸ばすと、あられもない菜穂子の姿が映し出された。陰部に近づくと菜穂子自ら足を広げ、カメラはアップされる。秘部は秘部でなく、はっきりと映され、濡れた割れ目から脈打つ様に精子が流れ出て来て、菜穂子が笑いながらティッシュの箱を取るところでビデオは終わった。
一秋は見るたびに途轍もなく興奮をし、同時に切なく苦しい感情をもった。隣人の人妻にこれほど苦しめられるとは思っても見なかった。


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