投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最初へ 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 80 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 82 衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最後へ

ナディーカ語り(9)-1

「‥‥部下?」
「そう、部下。奴隷ではなく、ナディーカ・クセルクセスの護衛隊員として。ナディーカとて軍の面子も立てなければなりませんから、すぐに将校というわけにはいかないと思うけれど、いずれは可能と思うわ」
 ふたりきりの部屋だ。誰にも憚ることはない。ジェニーに言ったのは、わたしが見てみたいと思うモノだ‥‥。姉妹のカラダを繋げる。それは、わたしが思い描いていることの、ひとつだ。すでに、そのための特別な下着――装置も、ザヴォーズに作らせている。コンジャンクションに使う予定はなく、出来上がってはいないが、わたしの予想より早く、もう少しで完成の見込みとのことだった。さすがザヴォーズだ。騎士甲冑と同様、ジェニーを介してはいない。
(もっとも、介させても、あの人は気づかないかもしれないけど‥‥)
 これは何なのかと首をひねりながら、自分と自分の姉を合体させる装置のオーダーをザヴォーズに出しているジェニーの姿が浮かび、わたしは、まだわたしに従わぬ者の前だということも忘れ、思わずくすくすと笑ってしまった。
 ――目の前の、その従わぬ女が、妙な顔で何か言いたそうにわたしを見ていた‥‥。
 わたしは、気を引き締めた。とにかく、手順を間違えなければ、ジェニーとその姉であるあのジャニスというメイド。そして、このルリアとわたしのリリィ。プラスケットに、ミアヘレナ。素敵な二姉妹が、もうすぐ手に入るのだ。わたしは、いろいろなことを思い描いてワクワクしながらも、油断なく目の前の女に言った。
「ナディーカは、木星圏全体の利益を考えているの。ジェスガーニーメデだけでなく、ね‥‥」
 女は黙っていた。わたしは続けた。
「少し、歴史の授業をしましょうか‥‥」
 彼女は、ん?という顔つきになった。わたしは腰に手の甲を当て、あらためて彼女に尋ねた。
「わかる人だけ、お股をおおーきく広げて答えてくださぁい‥‥。――ハイ、ルリア・ミアヘレナさん‥‥!」
 わたしは、教師役になりきり、指で彼女の股間を指さした。
「‥‥‥‥」
「質問の前から、凄いですねぇ‥‥。わからなかったらお仕置きですよ? ――歴史時代の『独立戦争』、あれは本当は‥‥その当時は、何と呼ばれていたかしら?」

 わたしは、翡翠の姫。生ける宝玉。スガーニーを統べ、この遅滞する木星圏文明を、光輝の未来へと導く使命を負っている‥‥――オイオの女戦士は、さほど待たせず、わたしの問いに答えた。
「『辺獄内戦』‥‥です、先生」
 わたしは思わず、口笛を吹いていた。
「‥‥正解です。さすがオイオ軍の指導にあたるだけあって、おっぱいが立派なだけではないようですね。先生、感心しました。――拍手してあげなくちゃいけないかな?」
 そう言ってわたしは、ルリアに近づくと、拍手の代わりに、その左乳房の蕾をピン!と指で強く弾いてやった。
「うっ‥‥くぅん‥‥」
 ルリア・ミアヘレナは一瞬顔をしかめたもの、すぐにそそる表情を見せる。そして、がっちりと拘束されているにもかかわらず、そのPカップ爆乳は、ぷるん、ぷる‥‥と揺れる。あまりの大きさゆえに、カラダは動けなくても、このような反応を見せるのだ。
(やるじゃない‥‥)
 オイオの調教士かれは、たしかによく調教してくれたようだ。女戦士のこれ見よがしなほどダイナミックな双乳は、いまや大きな性の触媒、わたしの自由になる肉のコントローラーなのだ。
(悪いけど、結果はわたしがいただくけどね。全部‥‥)
 わたしは、心のなかで舌なめずりした。あるいは、顔に出てしまったかもしれない。
 「辺獄リンボ」という表現は、この歴史時代の独立戦争を「辺獄内戦」という、その時代の正式名称で呼ぶ歴史観と一体のものだ。それは、われらの祖の敵だった者たちによる、屈辱的な呼称でもある。
 しかし、歴史的事実としては、そうなのだ。現在に残る木星圏われわれ側の資料でも、戦時中は「辺獄内戦」を使っている。「独立戦争」という表現は、戦後しばらく経ってから作られた用語なのだ。鋭い歴史観と、相当の関心がなければ、そのことを知る者はいない。
「黒瑪瑙ルリア‥‥。このナディーカ・クセルクセスが、あらためてお頼みします。ナディーカの片腕となり、政務を助けてくれませんこと?」
 わたしは白いスカートを両手に持ち、うやうやしく頭を下げてさえ見せた。
「ジェニー‥‥あのジェニファー・プラスケットは、戦のほうは大したものなのですが、残念ながらここのほうがちょっと‥‥。――スガーニーのナディーカは常に、有能な部下を欲しているのです。ナディーカは――いえ、スガーニーは、出身は問いませんよ?」
 だが、わたしの最大級のへりくだりにも関わらずルリアは、
「――己の部下をそう申されるような方には、このルリア・ミアヘレナ、忠誠を尽くす気にはなれませぬ‥‥」
と、冷たい表情でのたまうでないの!
「その‥‥さきほどの修行生活とやらで、なにやら高邁な、禁欲の悟りでも開いたのかしら?」
 わたしは皮肉たっぷりに言ったが、ルリアは、素直にその日々を思い出したかのようだった。
「‥‥――狭い寝所以外、火山灰まじりの砂が入り込んでくるような、気密さえまともに覚束おぼつかぬ小屋‥‥。その砂を掻き出すことだけが、日課だった。その単調な日々を己に課すことで、わたしはただ、過去の痛みに耐え、われの至らなさ、木星圏に与えてしまった被害を思い、我執を捨てることを学び、木星圏の明日を思い描こうと、足掻いていただけだ‥‥」
「まるで歴史時代の英雄のような、ご大層な口ぶりね。それが悟りだ――と、そう言いたいわけ?」
「そんな不遜なことは、わたしは思っていない‥‥」
 淡々とした、それでいてどこかおごそかなルリア・ミアヘレナの物言いは、それまでわたしが出会ってきたどんな人間のものとも違っていた。わたしは、苛立ちを覚えていた。
「ジェニーとは、懐かしくなくって? その細剣レイピアでかは知りませんが、聞いたところでは、前の戦役で、直接、刃を交えた仲なのでしょう? わたしにはわかりませんけれど、そういうのもなにか、エクスタシーを感じるものなのかしら?」


衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最初へ 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 80 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 82 衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前