撮らせてよ-1
唇を重ねているうちに、里枝の身体の力が抜けていくのがわかった。
こっそり目を開けて見ると、眉間にシワを寄せて抵抗してるようなその表情に、また煽られる。
夢中で逃れる舌を追いかけ、絡ませ、歯をなぞったりしているうちに、俺のパジャマを掴む手にキュッと力が入った。
「はあっ……、ズルい……そうやってごまかして……」
ようやく俺のキスから解放された里枝は、真っ赤な顔で睨むけど、どこか瞳はトロンと潤んでいて。
思わずクッと笑いが漏れる。
普段は気の強い里枝に、尻に敷かれっぱなしだけど、こうなると立場は逆転するんだ。
「いや、たかがエロ動画でヤキモチ妬く里枝が可愛くてさ」
「……っ! ヤキモチなんか……!」
否定する唇を、もう一度唇で塞ぐ。
里枝は意外と強引にされるのが好きなようで、次に唇を離した時には、完全にメスの顔になっていた。
「妬いてるから、怒ってるんだろ?」
「……だって、それは……」
モジモジしながら視線を泳がす里枝。パジャマからツンと尖った乳首が浮き出ているのを観ると、生唾が自然と込み上げてくる。
そんな無防備なカッコで、ヤキモチを妬く姿に、頭の中で一筋の光が差し込んできた。
今の里枝なら、少々ハメを外しても許されるかも。
そして、彼女の細い顎をつまみ上げる。
「ならさ、俺がもうこれ以上エロ動画を観なくてもいいように、協力してよ」
「き、協力……?」
里枝が生唾を飲み込む音が小さく響く。
そして俺は、不安そうにこちらを見つめている彼女に、何も言わずに微笑んで見せた――。