ナディーカ語り(1)-1
わたしは、翡翠の姫。スガーニーの王位に座り、その全領土を統べる最高指導者。
遅滞する文明の改革者。この辺獄の闇に光をもたらす宝玉。
しかし、悩みがある‥‥。
コンジャンクション前半部が終わり、休憩に入ると、わたしは控室に使っている
「ナディーカさま‥‥!」
振り向かずともわかる。わが忠実なる護衛隊長にして、頼もしき片腕でもあるジェニーだ。
わたしは、日頃、移動にムヴグリを使うことは少ない。王位というわたしの地位・
こちらから動くにしても、おもな仕事場である執務室からは、廊下へ出て左右どちらに進んでも、同じ形のL字型の通廊の角に出る。そこには、途中でルートが合流し王宮内の各所へと行ける、わたし専用の
前半の調教が終わり、各種機器類のチェックをジェニーに任せ、わたしはゆったりと玉繭の間に向かっていたのだが、忠実なるジェニーが一般の規則では速度違反にあたるスピードでムヴグリを動かし、わたしに追いついてきたというわけであった。
(――わずかの間でも、ナディーカさまを護衛なしにはさせられません‥‥!)
と、その顔に書いてあった。
(ほんとうに、忠実な番犬‥‥)
わたしも声に出さず――顔にも出さず心のなかで――つぶやく。必要以上に身を寄せてくる、わたしより大きな体躯の彼女。その、わたしよりずっと力強い腕は、いざというときには外敵からわたしを守ってくれるだろう。
(でも、この人も、女‥‥)
淡いブルーのシャツの胸の、やはりわたしよりずっと大きなおっぱいを眺めやりながら、わたしは考えてもいた。
(あの大きなおっぱいは、やっぱり彼女の体の他の部分みたいに固くて、そして、性格みたいに鈍いのかしら‥‥)
わたしは、普段からの想像をめぐらせる。口にしたことはない。が、彼女を見るたび、そう思っていた。毎日‥‥。
(それとも、意外にやわらかいのかしら‥‥。そして、弱くて感じやすくて‥‥。屈強なあの
もちろん、リリィには敵わない。リリア・ザ・パーフェクトには。それは、
(でも‥‥。コンジャンクションが終わった後で、落ち着いたら――)
わたしは考える。未来の地図がまたひとつ、おぼろげながら形をとって現れてきたように思えた。
(あのジェニーのおっぱいをじっくり攻略してみるのも、いいかもしれないわね‥‥。もちろん、難しいことだけれど‥‥鍵は、ある――)
彼女は気がついていないようだ。今回のコンジャンクションで、わたしが、二組の姉妹を手に入れることになるのを‥‥。
(あのお姉さん――ジャニス・プラスケット、だったわね‥‥。リリィとあのルリアもそうだけれど、姉妹で、ああも違うものなのかしらね‥‥)
わたしは、オイオの三人の女のひとりを思い出していた。
(おっぱいはなかなか‥‥)
三日前に提出させたエントリーデータには、一一〇センチのNカップ、とあった。あのルリア、また同じメイドのリリィほどではないが、標準以上の巨乳であることは、間違いない。じゅうぶん、揉みでがある。そして、これはわたしの勘、というより人間観察だが、あのジャニスとかいう女、職務に忠実そうな印象を受けた。いまは、オイオの一員としてわたしとは敵対する立場にあるが、コンジャンクションでその大義を屈服させ、後に一、二度のきつめの調教によってカラダを屈服させ、乳奴隷として見合った仕事を与えれば、わたしのためにもよく働くのではないかと思えた。
そういう人間は、いる。そしてわたしの手には、この実妹のジェニーという餌もあるのだ。
(さて、どう絡ませよう‥‥)