大目に見てよ-3
しどろもどろになっている俺の隣で、諦めのため息を大げさに吐く里枝。
「まったく、そんなにはまるなんて何がいいんだか」
なんて、呆れた口調で言うけれど。
実は俺、知ってるんだよな。
里枝も俺の動画コレクションをこっそり観てるってことを。
俺の御用達の動画サイトでは、マッチング機能ってやつがついていて、購入履歴やタグ、検索ワード、再生回数なんかの複合の条件で、オススメ作品を表示させてくれる。
エロ動画デビューの頃は、女優の顔も名前もろくに知らないで、やみくもに検索してはタイプの女優を見つけようとした。
だから、サイトを利用し始めの頃は、マッチング機能でオススメ作品を表示されても、てんで統一性がなかった。
供給過多と言われているアダルト業界。
確かに女の子のレベルはすごく高いし、ジャンルだってたくさんあって、俺達男にとってはウハウハ状態。
だけど、そこから自分のお気に入りを探すのは意外と一苦労で、とにかくサンプルを観まくって購入するのに頭を悩ませてばかりだった。
そんな紆余曲折を経て、ようやく出会えたのが、勅使川原えみるだった。
ふっくらした色白の身体と、ふにゃっと笑った顔がめちゃめちゃ可愛い彼女。
なのに、彼女の騎乗位のくねくね動く腰使いと、ねっとりと絡むようなフェラをするエロギャップがたまらない。
喘ぎ声もそそるし、何より感じまくる顔が超タイプだった。
一旦気に入った女優が見つかると、その娘の作品ばかり観るようになり、他の女優の作品なんて、ほぼ観なくなる。
変なとこで俺は一途なのだ。
と言うわけで、俺の「購入履歴」も「再生回数」も、勅使川原えみるばかりが名前を連ねているはずだったのだが。
再生回数4〜5位辺りに見慣れない名前が登場していたのである。