陥落-2
こうして私は何とか難を免れた。
バスでの帰り道、社員たちは元気のない藤崎君を心配したが、彼女が私とのことを口外することなく、社員旅行は無事終了した。
藤崎君の恥ずかしい画像も今では自宅のパソコンのハードディスクなど、あらゆる場所に保存してあるから、彼女がすべてを回収して消去することは不可能だ。
あの時はどうなることかと思ったが、助かった。こんなことだったら、藤崎由美のアソコをもっと鑑賞しておくべきだったな。
二週間後、すっかり余裕を持った私はこんなことを考えるようになっていた。
そして、時折、藤崎君の画像を見ながら、下半身をあらわにしてオナニーをする。
ああっ、藤崎君! 藤崎君!
藤崎由美の恥ずかしい場所を見ながらのオナニーは最高だった。
なぜか頭にかぶった時のパンティの激臭もよみがえって来る。
若手社員の中には、藤崎君をネタにしてオナニーしているやつがいるだろうが、私は彼女の秘所の形状や匂いも知っているのだ。
こんなに優越感に浸れることはない。
あの時、なぜチェック柄と純白パンティを没収しておかなかったのだろうという後悔が今となって湧いてくる。
すると、こんなことが頭に浮かんだ。
そうだ、彼女のパンティをもらおう。
目の前で脱がせて、あたたかい生パンティを手に入れるのだ。画像を持っている私の要望は絶対で、彼女にこれを拒むことは出来ない。
このプランに私は胸を躍らせた。
その日の夜は、藤崎君の生パンティが頭にチラついて、ほとんど眠ることが出来なかった。
本当に私はどうしようもないヘンタイ男だ。
しかし、翌日、ワクワクして会社に行くと、人事部の人間から意外なことを聞いた。
「えっ、藤崎君が辞める?」
「そうなんですよ。昨日、彼女から辞表が出されましてね。辞める理由を聞いてもはっきり言わないし、人事としては引き止めたのですが、部長、何かご存じないですか?」
もちろん、私は彼女の本当の退職理由を知っている。
私のような人間と同じフロアで仕事をすることが耐えられないのだろう。
生パンティを手に入れようと考えていた矢先だったので、この報告には、ひどくがっかりしたが、すぐに悪魔のようなことを思いついた。
そうだ、彼女と寝よう。
画像をネタにすれば彼女は必ずハダカになり、脚を開く。私は藤崎由美とセックス出来る。
今までどうしてこんな簡単なことを思いつかなかったんだろうと、思わず苦笑してしまった。
何だかんだ言って、私は道徳のカセにとらわれた小心者なのだ。
しかし、彼女がいなくなるとわかった今、放っておくことは出来なかった。
私の巨大なモノをブチ込んで、彼女の体に私という存在をしっかり刻み込んでおきたいという願望が湧いてくる。
私は藤崎君を会議室に呼び出した。
表向きの理由は、退職の話だ。
彼女は私とふたりきりになることを嫌がったが、メモ用紙に〈画像の件〉と書いて見せると、「わかりました……」と言って従った。
そして、会議室で、画像の代わりに一晩を共にすることを切り出した。
「何を言ってるんですか!」
藤崎君はもちろん怒りの声で拒否をした。