笛の音 1.-16
心の隙に忍び込まれて、有紗は小さく縮んだまま髪を乱して首を激しく振ったが、立ち上がった信也が屹立して反り返る男茎の先で重たげに張る亀頭を揺らしながら近づいてきて、正面にしゃがみ込むと膝頭の肌に触れても抗うことができなかった。
「あ……」
膝の後ろを持たれ、為す術なく再び脚をM字にソファへと乗せられる。真正面から開帳された脚の間を覗き込まれ、更に両手を使って柔丘を広げられた。激越な疼きに爛れそうなまでに敏感になった媚肉が外気に曝されるだけでも、まだ残っていた陵辱の体液を混濁させた蜜が零れ落ちた。
「なんだ、このイヤラしいお汁は」
信也は縮こまっていた有紗を引き起こし背凭れに磔にすると、片脚を肩に抱えて花園に亀頭を押し付けてきた。「さぁ、もう一回セックスだ」
「うあぁっ……、ああっ……」
灼熱の亀頭が押し当てられただけで、疼きが癒やされていく快美が強烈だった。両手を前に差し出して腰を押し戻そうとする手は単に添えられているにすぎない。処女を奪われた時よりもスムーズに亀頭が入口をくぐって来ると、背凭れから上体が跳ね上がったが、喉を掴まれて抑えつけられた。
「すごくヤラしいオマンコになっているぞ……。まだまだガキのカラダなのに、おちんちんをギュウギュウ締め付けてくるっ……」
息を乱して傘を進めてくる。先程は縁が擦れれば痛みと汚辱感だけが送り込まれてきたのに、媚薬が細部にまで滲みた襞を摩られると、下半身が溶け落ちてしまうほどの淫楽が渦巻いた。
「……有紗のココ、お父さんが名器に育ててやるからな……、ほら、奥までおちんちんがいっぱいだろ? イヤラしい声を出してもいいんだぞ? ん?」
信也は有紗を抱きしめると耳朶を舐め回し、毒息を吹きこみつつネットリと囁いてくる。中年と言われる歳甲斐もなく、今まで生きてきてここまで猛ったことはないほどの剛欲に猛った先端でトロトロになった有紗の内部を突き崩して、「ほら、有紗、どうした……、ほらっ! 言ってごらん? そらっ!」
「んっ……、ああっ、……いやぁっ! ……やだ、こわ……、こわい」
「こわい? どうした? そうか有紗、イキそうなんだな?」
「やだっ、やだよぅ……、こわい、……落ち、……落ちる」
「そうだ、それがエクスタシーってやつだ、有紗……。っく……、すごいな、処女じゃなくなった日に、もうイクことができるなんて……、なんてヤラしい子なんだ」
「いやだっ、わ、私っ……」
容赦無い打突を見舞わせつつ、信也が手を接合に差し入れると、親指の腹で敏感になったまま放り置かれてきた雛先を捏ねてきた。「あっ! がっ……!」
全身を痙攣させ、有紗の頭の中が真っ白になった。脳が爆発したかと思った。
「ほうら、イッた、イッた……。……すごいぞ有紗、イッたときのオマンコの中がイヤラしすぎるぞぉ? お父さんのおちんちんをギュウギュウ締め付けて……」
絶頂の高揚が全く収まっていないのに、信也がなおも律動を送り込んできて、有紗の息が止まる。口を開けいても空気が入ってこない。文字通り死んでしまいそうになっていると、その唇にむしゃぶりつかれてやっと呼気が入ってきた。汚らしい唾液に口の周りをベトベトにし、男茎を下肢の中心を串刺しにしたまま、信也は有紗の体を持ち上げてきた。首に両手で掴まらなければ後ろに落ちてしまう。抱えられて歩く度に亀頭が胎の底を抉り上げてきた。有紗はそのまま二階の自室に運ばれ、新しく買われた自分のベッドで、狂喜を覚ます絶頂を何度も味わされ、気を失うまで姦され続けた。
「……有紗ちゃん、……体調悪いって聞いたけど、大丈夫?」
肩を優しく叩かれて瞼を開くと、叔母が心配そうに顔を覗きこんできていた。寝間着を来て布団の中に収まっていた。叔母の向こうに、壁に備えられた吊り鈎に制服がぶら下がっているのが見えた。
「女の子の日かな……?」
問いかける叔母に、布団に顔を半分埋めたまま小さく首を振った。大丈夫です、少し頭痛がするだけです、ありがとう。消え入りそうな声で答えた有紗に洋子は優しい微笑みを向けて、ゆっくり休みなさい、と言った。
夢ではない。布団の中ではまだ下腹部に暴虐の名残と甘い痺れが澱んでいる。新しい母は夫の正体を何も知らないのだと判った。洋子を呼び止め、叔父の罪業を何もかも暴き出してやろう。自分をこんな目に合わせた男を破滅させてやるのだ。
有紗の衝動は、叔母の影から現れた、叔母以上に沈痛な瞳で見つめてきた愛美によって止められた。
「お姉ちゃん、だいじょうぶぅ……?」
妹はまだ父の不幸から抜け出せていない。そこに加えて姉が暴威の犠牲となったことを知り、せっかく決まった新しい学校も、定期的に受けられるカウンセリングも無くなってしまったらどうなることだろう。
だから翌日の土曜に叔父が「ゴルフを教えてやろう」と有紗だけを連れ出そうとした時、大人しく車に乗った。暫く高速を走り、不意に降りたインターチェンジを出てすぐのラブホテルに連れ込まれた。