巴のラブラブ大作戦!-7
「………。」
「若葉、その、御免ね。」
「ううんっ!二人は何も悪くない、色々と手を貸してくれてありがとうね。」
「柊さん。」
教室で若葉を囲み、重たいムードが漂う。
昨日の作戦は失敗した…。今度こそ本当に上手く行くと思ったのに。たまたまバイトが入って来れなくなった、それだけの事で若葉をこれだけ傷つけるだなんて。こんな事ならいっそ無慈悲に忘れて来ない方がまだ良かった、それなら特別な感情でもあるんでないかと思え、それを口実に色々考えれた筈なのに。
「こーなりゃもう一回!今度は大丈夫じゃ。」
「いいよ、巴ちゃん。」
「若葉。」
流石に自身消失って感じのようで、そりゃー何度も繰り返す事ではないが。
「おっはよぉー!どうしたぁ?そんな暗い顔して。」
「あたる…。」
我々、というか彼女を傷つけた本人が悪びれる様子もなく普段と変わらず声を掛ける。
「…アンタさ、昨日の約束、判ってた?」
「約束?…あぁーわりぃわりぃ!急にバイトが入ってさぁー。」
一応覚えてはいたのか、一応。もしバイトが入ってなくても本当に来てくれたかどうか不安が拭いされない、バイトが入った、と言う事実がその真意を邪魔する。
「ほんっと鈍いよねっ!付き合っていた頃からそうだっ!普段は明るく優しく接してくれるくせに、肝心な事はまるで気付かない!」
「と、巴?」
「判る?アンタのそのいい加減な性格のせいである女の子が悲しんでるんだよ!?」
「ちょっ巴、落ち着こうよ。」
「……。」
蓮が暴走する私を止める、コイツに当たるのは検討違いなのは判る、判るけどっ!すると
そんな私にムッと来たのか先ほどまでのヘラヘラした顔が消え。
「…いい加減にして欲しいのはこっちの方だ!」
「何ですって?」
「折角きつい部活を終え、休みの日にゆっくり体を休めようとしたら行き成り家にやってきて「動物園行こー」って。嫌がる俺を無理やり外に出してよぉー。」
「それは、だって。」
「あたるー、そんな言い方はないでしょ?彼女だって。」
「お前もお前だっ蓮!昨日クッキー貰って急にお礼を言え言えっ!って。何なんだよお前らは!人の顔を見てはよそよそと…。」
「それはアンタが鈍いから。」
「兎に角!もうそういうの誘われたってぜってーいかねーからなっ!もうコソコソすんなよー、いいな!?」
「……。」
不満を爆発させ、言うだけ言って怒り肩をあげて教室を後にする。