巴のラブラブ大作戦!-6
蓮が実に力強くあたるの背中を押してくれたお蔭で、彼がクッキーのお礼を言いたいので放課後の夕方、学校の裏庭で待っていて待っていて欲しい…と約束をし。
「うぅぅーーんっ!蓮ちゅわぁぁんっ!愛してるぜぇー、さぁーすがぁー!」
「ホント、ありがとうねぇー。」
「別に…大した事はしてないよ、親友として言うべき事を言ったまでさ。」
歓喜を挙げ終えた所で、早速あたるが彼女にお礼を言いに来るという裏庭へ足を運び事に
「んー……。」
放課後であってクラスメートは殆ど帰り、物気の殻状態な裏庭、まぁ第三者が来られても困るが。人はあまり寄らない場所だが花壇の手入れなどちゃんと整っており、そんな場所で彼女は一人足をガクガクさせつつも時より深呼吸をする。
「もうじきアイツがやってくる。そしたら美味しいクッキーをご馳走してくれた彼女にお礼を言う、例え素気なくても良い、それでも一言声を掛けてくれれば。」
「ちゃんとお礼を言ってよ、ってきつく言っといたし本人も判ったって。」
今度という今度は絶対に上手く行く筈!アイツは普通に甘い物は好きだし、蓮もキツく背中を押してくれた、幾らぶっきら棒でも自分を良くしてくれてお礼も言えない奴じゃない事は付き合って居た私がよーく知っている。
「まぁ、まだ小さな一歩だけどね。」
「小さな一歩、大きな一歩。彼がお礼を言ってくれれば彼女だって自信がつくし、アイツだってこれを機に彼女の存在に気づいてくれるだろうし。」
そうだ…これで行ける筈……。
「ねぇ、約束の時間って4時であってるよね?」
「うん、間違いない筈…。」
ケータイをポッケから出し、何度も確認するも予定の時刻はとっくに過ぎており。
「時間、間違えたのか?」
「いや、時間を言った時も4時ねって確認してたし。」
「今日ってバスケあったっけ?」
「ううん、この日はない筈だよ。」
あれやこれや蓮に可能性を潰させてもらう。
「……まさかアイツ、適当に空返事して忘れてるんじゃっ!」
あり得るな、だって最初っからノリ気でなかったし、蓮がせっかく後押しをしてくれたというのに……。
「酷い…、これじゃー若葉が可哀想、そりゃーアイツからしたら何なんだって話かもしれないケド、だからって。」
「…ちょっと電話してみる。」
そうこうしてる間にも何も知らない彼女は一人来ると確信し、ひたすら待っている。
「若葉…。」
「………。」
すると向こうから一つの人影が、やっと来たか…。しかしその影はやけに大きく。
「君っ!こんな所で何してんだっ!早く帰りなさい。」
「あ……。」
見回りをしている先生だ、無論こちらの事情なんてまるで知らず、生徒が遊んでるくらいの認識で、無情に注意をする。
「あたる、急にバイトが入ったって。」
「若葉!」
連の報告を遮り、悲しみそして虚しさから思わずこの場を去る若葉を追う。
「う、ううっ!……何やってんだろ…私。」