ブループラネット-1
日曜の朝は雨だった。
ベランダにぶつかった雨粒が軽快に響いている。
その音が何だか滑稽で、私はカーテンを開けるのを止めた。
時計の秒針の音がいつもより大きく聞こえる部屋で、ホットミルクを飲みながら雨の音を聞く。
いつもなら聞こえる鳥の鳴き声も、今日は聞こえない。
私の涙も流れない。
外では世界中の悲しみを吸って空が静かに優しく泣いていた。
すっかり冷めてしまったミルクを一気に飲み干し、私はベッドに潜り込む。
布団に顔を埋めるとお日さまの匂いと、かすかに彼の匂いがした。
雨の日に出ていった彼。
頭を撫でてくれて、行ってきますを言った彼。
この世界のどこを探してもいない。
もうどこにもいない。
ふいに鼻の奥がジンジンして目頭が熱くなってくる。
でも泣かないと決めたんだ。
空が代わりに泣いてくれるから。
ブルー・ブルー・プラネット
世界中の悲しみを背負って廻る青い星
空の涙を両腕で抱いて、静かに眠る青い星
青く輝く悲しみの星に、私は今日も抱かれて眠る。
END