実行-3
私は最後の仕上げに取りかかった。
この二枚のパンティを使ってオナニーをする。
一枚は頭に被って匂いを嗅ぎ、もう一枚はチ×コをくるむ。
このチ×コをくるむやり方は〈パンコキ〉と言うらしいが、パンティのスベスベ感がとても気持ちいい。地方出張の時に入った風俗店で体験してから、結構病みつきとなっている。若い頃は気づかなかったが、私にはもともと下着フェチの性向があったらしい。
「へへへっ、藤崎君、待ってろよ。すぐに気持ちよくしてやるからな」
わざと下卑たせりふを言って、浴衣の裾をめくりあげ、トランクスを下ろすと、今まで圧迫されていた股間のモノが勢いよく飛び出して来た。
我ながら立派なモノだと思う。本当ならこれで藤崎君のオマ×コを突きまくりたい。
そのままトランクスを脱ぎ捨てると、チェック柄のパンティを頭に被った。
チェック柄を被ったのは、もちろんこちらの方が匂いがきつくて、藤崎君を身近に感じられるからだ。
そして、牝の猛臭は雄の性欲を激しく活性化させる。
現に頭に被った瞬間、私の肉棒はさらに大きく膨張した。
その大きく膨れあがった巨大な肉棒に、私はもう一枚の純白パンティをあてがった。
「ううっ……!」
布地が触れた瞬間、背中に衝撃の電流が走った。
何という感触だろう! 藤崎君のモノだから特にそう感じるのかもしれないが、スベスベ感がハンパでない。すぐにでも射精しそうになる。精子をぶちまけてしまったら、さすがに犯行がバレてしまうので慌てて抑える。
「藤崎君、動かすよ」
私は目をつむって手を使い始めた。そのまま畳の上に横になり、天井に向かって真っ直ぐに勃起した黒棒を激しく擦る。
「藤崎君、いいよ! 最高だ!」
まるで本当に彼女とセックスしているようだった。
しかし、それも満更ウソではない。
何しろ今チ×コに当たっているのは少し前まで彼女のオマ×コを包み隠していた布地なのだ。息を吸い込んで飛び込んでくる牝臭は彼女のオマ×コの匂いなのだ。
「藤崎君、君のオマ×コ臭すぎる……!」
今の私を他人が見たらどんなふうに思うだろう?
女性のパンティを頭に被り、パンティでオナニーしている浴衣姿の中年男。
明らかに変態だ。滑稽ですらある。
しかし、本当に悪いのはこんな匂いのパンティを身につけていた藤崎君なのだ。彼女がこんないやらしいパンティを穿いていなければ、私はこんなバカげたことをしでかさなかったのだ。
手の動きはますます速くなっていった。
「ほれ、ほれ、ほれ!」
と腰を突き上げて、亀頭部分を純白の布地にグイグイとのめり込ませるのも忘れない。先端からガマン汁が出てパンティに染みを作っているのはわかっているが、止められない。
「藤崎君! 藤崎君! 君のパンティ最高だ! 純白のパンティが私の黒棒で汚されていく!」
可愛いらしい、会社のアイドルの使用済みパンティを使ったオナニー。
こんな気持ちのいいオナニーはなかった。
ほんの少し前までためらっていた自分が本当に愚かに思える。
実際にやってみればこんなことは何でもない。
大切なのは決断と行動なのだ。
だが、しばらくして……。
私は背筋に冷たいものを感じて、手を止めた。
人の気配を感じたからだ。
目をつむり、畳の上に仰向けになってオナニーしている私の頭上に明らかに人がいる。
恐る恐る目を開けた。
頭に被っているパンティの隙間から入口のドア付近に立っている彼女の姿が見えた。
藤崎君!?
あわてて上体を起こして確かめると、間違いなく藤崎由美がいた!
パーカーを羽織ったビキニの水着姿の彼女は呆然としていた。
目の前で起こっていることを把握できていないかのようだった。
「藤崎君、どうして……?」
「……サングラスを取りに来たんです。……日差しが強かったから」
そう言えば、バッグの中にサングラスがあったのを思い出した。
目の前の事態にどう対処していいか、わからず、私は大いに混乱していた。
純白のパンティにくるまれて屹立していた肉棒は今や力をなくして、下を向いていた。