咲き乱れ-1
〜咲き乱れ〜4-1
あの日から座っていなかったリビングのソファー。今は蓮の間に挟まれ2人で座っている。
長かった痴話喧嘩とも言える姉弟喧嘩を終えたのだ。
「もう落ち着いた?ほらそんな擦るから目真っ赤ぢゃんかよ!」
「うるさい。蓮のせいでしょ!」
「はいはい。さっきの可愛いーお姉さまはどこへやら!
ねー夕飯て言ってなかった?」
「うん、温めてくる。」
蓮の間から立ち上がりキッチンへ。
なぜかそのまま蓮も椿の後を追うのである。
(…なんで着いてくる?)
何も言わず珍しく手伝い始め、おかずを温めている椿の背後から、覆うように手をつき、お皿を差し出す蓮。
お皿を差し出すだけには近過ぎる距離…
(…ドッ…ドッ…)
「椿ちゃん?」
「邪魔でしょ///」
「まだ“好き”って言葉聞いてないんだけど?」
「………。好きだからあっち行ってて!」
(…もう今さらだ。)
姉弟で愛し合うことは、そんな簡単に続けられる関係ではない。まだ未熟者の2人には“必ず苦悩する”と気づけないのであろう…。
「ならよしっ!」
(…素直に言えば可愛いものを。そんな言い方しやがって。)
背中に硬くなっているモノが触れた気がしたが思いのほか、あっさりと蓮は離れた…。
束の間の夕食。仲直りし2人で食べる。より一層、美味しく感じる夕飯なのだ。
食事を終え洗い物をする椿の側から離れない蓮。まるで新婚のようである。
「いつからそんなひっつき虫になった訳…?」
「んー…?」
もう弟ではないかのように、男の行動をする蓮に戸惑いもありつつ、嫌悪もなく居心地がいいのだ。
「なー?今日は抱くよ。部屋で待ってっから。」
(…え?)
返事を聞かず自室に戻っていく蓮。
(…//////。嫌ではないけど…そんな自分が怖い…。)
怖いのは罪という自覚。それでも蓮が欲しい…と気持ちを止めることもできないのだ。
(…ドッ…ドッ…)
シャワーの水圧にも負けない鼓動。
蓮を意識しボディクリームを塗る日が来るとも思ってもみなかった。
事故ではなく確信犯。今から蓮に抱かれるのだ。
(…お母さん…お父さん…ごめんなさい。)
禁断の2人暮らし…
罪を犯してゆくのである。