咲き乱れ-2
〜咲き乱れ〜4-2
衝動的に抱いた時とは違う。
恋愛感情を自覚すれば尚更だ。
目を瞑るだけで椿が浮かびあがり、下腹部に熱を感じる。今からこのベッドで行われることを期待し、そわそわ落ち着かないのである。
(…ちょい強引過ぎたか?いや…でも強引にいかないと椿、逃げるしな。はぁー…俺の方が完全に舞い上がってんぢゃん?)
“身体から始まる恋愛”も男と女であれば、血が繋がろうとも可能性はあるのだ。
(…やべぇ緊張してきた…立たなかったらどしよ…)
そんなことをグルグルと考えては、まだかまだかとウズウズしている。
一方、椿は“自らの意思で抱かれる”のだ。羞恥を抱いても、辞めようという選択肢など、もう頭の片隅にも無い。
羞恥心を紛らわすかのよう、ホットココアを作り、2つのマグカップを手に蓮の部屋へ。
短い距離だというのに、扉が近くなる程、鼓動は早くなり存在感を主張する。
一呼吸置き意を決して声をかけた。
「…蓮?」
「!」
「ホットココア作ってきたよ。開けて欲しいんだけど…。」
「ん。」
直ぐに招き入れる蓮。
しかし椿は、なに食わぬ顔でテレビに視線を移し、ホットココアを飲んでいる。
恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。テレビの内容など全く頭に入っていないだろう。
「そういえばライブどーだったの?」
「熱くて本当はそんな飲めないんぢゃねーの?」
「うるさい。」
「ライブいつも通り満員だったけど?いーから!こっち。」
膝をポンポンと叩き催促すると、意外にも素直にマグカップを置き、側に身を寄せる椿。
腕を引き寄せ、自身の上に座らせた。
すっぽりと包み込み椿の肩に額を落とす。
(…ドッ…ドッ…ドッ…)
「椿がそんな緊張してると俺にも移るんだけど…?」
「…ごめん。」
「んだよ。素直ぢゃん!
風呂入ったんだ?いー匂いする。」
「ボディクリームでしょ。」
「入んなくても良かったのに!前の方が椿の匂いした。」
「変態!!」
「男はみんな変態だろ!」
首筋に触れるか触れないかのキス。
「くすぐったいよ!」
何をする訳でもなく、ただただ抱きしめている蓮。
「…蓮?」
「…ん?」
(……?)
蓮もそれなりに緊張しているのだ。
「電気消す?この前明るいままだったけど。」
「消す!」
「ぢゃ消してきて。」
「……う、うん。」
「おいで。俺の上跨いでいーから。」
「それ恥ずかしーんだけど///」
「いーから来いって。」
いつも強引な癖に、それでも優しいのは知っている。素直に引き寄せられてゆく…