第2話 憧れの子に見せる。-6
野心の夢を見て以来、明海はいやらしい事ばかりを考えてしまうようになる。自慰などするつもりはないが、毎日悶々とした日々を送るとどこまで我慢できるか自信はなかった。
(自分もその気になればあんなスケベな女になれるんだ…)
そう思えてきてならなかった。男子に平気で股を開き女性器を見せつける自分、洗ってないペニスを平気で口に含みしゃぶる自分、自ら男子に馬乗りになりセックスに喜ぶ自分…、そんな姿を思い出すだけで顔を赤くしてしまう。
(どんどんエッチになってく…)
明海は気付くと図書室にいた。誰かいないか慎重に確認しながらあの場所へと向かう。ある場所とはエロ本が紛れている本棚である。そのエロ本は女子高生モノで中学生の自分とほぼ変わらぬシチュエーションにドキッとしていた。
震える手で本棚からそのエロ本を抜く。そして頬を赤らめながら本を開いた。
(わっ…)
そのページは教室の教壇の上でM字になり大きく股を開いた女子生徒が男子生徒に性器を舐められている写真が写っていた。
「!?」
フェラチオは知っていたが、クンニは知らなかった。男子が女子の性器を舐めるという衝撃的な行為を知ってしまった明海は体が熱くなる。
「こ、こんな事…するの…?」
思わず呟いてしまった。しかしすぐに頭の中で思い浮かべる。野心に舌でペロペロと舐められた舌触りと快感を。明海の興奮はすぐさま下半身に直結する。もう耐え切れなかった。夢の中で与えられた快感が体に蘇る。明海は背後の本棚に背をつき、脚を軽く開きスカートを捲り上げパンティの中に手を忍ばせた。
「あっ…」
性器に触れた瞬間、まさに夢のな中と同じような感覚を得た。ドキドキする。自分が指を動かせばあの夢のような快感が現実のものとなりこの体に満ちるのだ。明海の指から躊躇いが消えた。中指を立て割れ目を上下させる。
「あっ…」
快感に腰が折れてしまう。膝から力が抜けそうなのを何とか踏ん張る。湿りきった愛液の滑りは指を難なく奥まで到達させる。
右手で性器を、左手で胸を弄る明海。ブレザーの中に手を入れシャツの上からの自撫ではもはや我慢出来ない。明海はシャツのボタンを外し中に手を入れる。ブラジャーの隙間から手を忍ばせた明海はすぐに乳首を摘まんだ。
「ああん…」
甘い電流が体を駆けめぐる。乳首の感触に我ながらムラムラしてしまう。すぐに夢のようにコリコリとしてきた。
「夢の通り…、ハァハァ…全部夢の通りだわ…。きっと私も本当は物凄くスケベな子なんだな…。」
朝から図書室でオナニーしている時点でスケベだと自覚した。もう止まらない。後は夢でも見たエクスタシーに到達するまでオナニーするだけであった。
「ああん…!(夢と同じぐらい気持ちいい…凄い…)」
改めて夢のリアルさを実感した。夢で体感したもの全てがそのまま現実となっている。という事はペニスの感触から絶頂の快感まで全てが同じだと言う事。もしかしたら野心とセックスするのかも知れないと思った。
しかしここで夢とは異なる出来事が起きる。本棚の影から何かが現れた。
「た、館野…、何してるんだ…?」
「!?」
心臓が飛び出るかと思った。驚いて振り向くと、そこには野心がいた。
「く、来須君…!?」
慌てて手を抜き着衣を直す。しかし現場を見られてしまった。言い訳すら思い浮かばない。
「ち、違うの…、これは…」
そう言うのが精一杯であった。歩み寄る野心にそわそわしながら立ち竦んでいた。
「ど、どうしてここに…?」
「いや、館野が教室を出て行ったのを見てついて来たんだ。俺、タイミングを見て館野に告白しようと思ってたんだ。これはチャンスだと思ってここに来たんだ…。」
「こ、告白…。」
野心から告白と聞いて胸がトキメイた。明海は改めて自分も野心の事を好きな事を自覚した。
「館野…、今、オナニーしてたよね?」
「えっ…!?」
誰もいないと思い、思い切りオナニーしていた。否定してもバレバレである。明海は何も言えなかった。