凪の夢-2
太股で擦り撫でる。それだけで陽さんの硬くはりつめたものは更に硬さを増していき、跳ねるような脈動が私の下肢の疼きをどんどん深めていく。
「陽さん…」
「っ……」
名前を呼んで硬くなったそれを手で擦り上げたら、陽さんは苦しそうな呻きにも似た、悦の息を漏らした。いつもは優しくて穏やかな表情なのに。
苦悶に似た愉悦に小さく喘ぐ、そんな陽さんがとても愛らしく感じて、
「ねえ、陽さん…お願い…」
私は陽さんに膝立ちになって貰い、逞しく熱く脈動する根をゆっくりと上下に擦りながら、張り詰めて滑りを帯びた頭部に舌を這わせた。
「っあ……っ!! あ…やの…さ…っ!」
「ん…、はぁ…っ…んっ」
「だ、ダメだよ…っ! そっ…っ!」
陽さんは、膝立ちが保てないとばかりにベッドの頭に手を添えて、快楽に体を震わせて荒い息を漏らした。
そんな艶を帯びた彼の喘ぎが私の鼓膜を震わせ、私をどんどん淫らにさせていく。
破裂しそうに脹れた頭部を口内に含み入れ、吸い圧を与えながらゆっくりと上下を繰り返し、酷く過敏になっているだろう鈴口の裏を舌先で擦り上げると、
「ああ…っ! くっ……っ!!」
陽さんは太股を震わせ、腰を引いて逃げてしまった。
「ごめん…、これ以上気持ち良くされたら、持たないよ…」
軽く肩で息をしながら、潤みを帯びた惚けた瞳で苦笑いする陽さんを見つめたら、なんだか堪らなく可愛く感じて、胸の奥がどうしようもなくきゅうと鳴ってしまう。
ゆっくり、ゆっくりと。
私の心も体も労ってくれるような、少しだけもどかしさを感じる優しいキスに、心身共に熱く疼いてしまう。
なるべく体に負担をかけないよう、座位で、背中を預け入れ、陽さんの全てに包み込まれるように悦に解されていく。
蜜に濡れたショーツを脱がされ、胸の敏感な突起を弄ばれながら、熱くとけそうな滑りが溢れる秘所を指で愛され、
「陽…さぁ…んっ…っああっ……っ!」
「綾乃さん…、かわいい声…」
「や…ぁ…、もう…あっ……あっ、……い…」
耳朶を甘噛みされ、吐息混じりに唇を這わされると、激しい快楽の波に襲われ、私の体はいとも簡単に登り詰めてしまった。
肩で息をしながら目を閉じて、背中から感じる愛しい人の熱を噛み締める。
どうしよう…、こみあげる気持ちが止まらない。
「綾乃さん…」
陽さんは、そっと私をベッドに横たえて、
「大丈夫? 苦しくない…?」
少しだけ心配そうな顔を見せて、小さく微笑んだ。
「苦しいよ…」
陽さんの両頬に手を添えて、
「陽さんが欲しくて堪らなくて、苦しい…」
そう告げて、小さく笑むと、
「そういう殺し文句はズルいよ…、綾乃さん…」
「ぁああっ……んっ!!」
「――っ!! 綾乃さんの…中…、ぁぁ…」
陽さんは、せつなげな息を漏らしながら、私の中にゆっくりと深く入ってきた。