堕天☆行路-1
○○○○年○月○日
「そう言や一度そんな能力(ちから)を使う天女に出くわした事があったけかなぁ?」
老人は呆けた顔で呟く。
「んっ! そっ、それは? いったい何処でどんな相手だったの?」
「もっとも天女(そいつ)は、たった一度それもほんの数時間“時空”を歪ませただけで、宿した能力を使い切っちまった。いくら超常の力宿し能力の使い手、“天女の末裔”と言えど所詮は末裔にしか過ぎないという事。もっともしっかり支えてくれる“矛盾”でも居れば話は別だが…… 今じゃ天女同様、本来の能力を色濃く残す矛盾もまた稀有な存在」
問われた事に応える素振りも見せず、老人は好色の眼差しで言葉を続けた。
それはまるで少女の質問に対する答えを値踏みしているようであった。
「知っていても無料(ただ)と言う訳にはいかないようね?」
少女はフラットな表情で、そんな老人の心を見透かし言葉にする。
「でき損ないの天女にしては、随分と物分りが良さそうだなお嬢ちゃん? それにしても…… 」
好色の眼差しは更に怪しさを増し、足元から絡み付き舐めまわすように這い上がる。
「その情報に間違いは無いのね?」
僅か数十秒の間隔であったが先程までのフラットな表情は崩れ、少女は意を決するように念を押す。
「相変わらずだな、お前ら天女、そして天女の末裔たちも。そうやって俺様を蔑む様な目で見ながらも、己の欲する物故にどうにもならない。何処で聞きつけて来るのか、こうやって“出来損ない”共が俺様の元を訪れて来る。今では引く手数多と言う訳にはいかないが、俺様の想いを満たすに必要十分と言う訳だ」
その眼差しとは対照的に、老人の言葉にはどこか陰りが感じられた。
「解っているわ、交渉成立ね」
「それじゃ、しっかり奉仕して…… 」
薄汚れたズボンから陰茎を曳き出し口淫を促そうとした刹那、老人の視界が少女の動きを捉える。
「どうせなら効率良く事を済ませたいわ」
躊躇いがちな指先は意を決するように、纏う衣類全ての拘束を解いていく。
「“出来損ない”の割には、随分と思い切りの良いお嬢ちゃんだ」
老人は満面の笑みを浮かべ応じる。
その年齢に似つかわしくない滾りを見せる禍々しい陰茎先端が、初々しいまでの色合いを呈する浅いスリットにあてがわれめり込んでいく。
その光景は事の真相、関係を受容れる少女の真意を知らぬ者が見れば、到底信じがたい異常な状況と言えた。
陶器人形の様に愛らしさと清らかさ漂わせる少女が、祖父と見紛う程歳の離れた老人と交合うのである。
「ぬぐぅっ…… うぅぅ、こいつはまた、随分と…… 」
かつて経験した事の無い鮮烈な感触と締め付けに、長きに亘り数え切れぬ程の少女たち貪ってきたはずの老人の陰茎が捻転する。
「貴男の事は幾人もの“出来損ない”から情報として得ているわ、藤岡留吉さん! そして…… 最凶の矛と成り得た筈の素体としての矛盾さん?」
その言葉と共に陰茎がより深く膣に曳き込まれると、少女の両腕が留吉の首筋へと絡み付き捕える。
「おめぇっ、いったい…… 何をっ? むぐぅっ」
驚きの表情とは異なる悦びが、老いた男の口元を歪ませる。
「これなら生体エネルギーの補充は元より、貴男が宿している“種子”の情報も得る事が出来る。もっとも貴男の“種子”に有益な情報が宿り、まだ枯れ果てず残っていればの話だけど…… 」
発せられた言葉と呼応するかのように、少女の膣が妖しいまでに潤いながら鳴動を始める。
「こいつぁ??? 天女の……“出来損ない”なんかじゃ! 天女の膣そのもの? しかしおめぇのその風体では、とうてい…… 考え、かんがえられねぇっ」
思考そのものは混乱を始めるも、下腹部で繋がる感触に身悶える悦びを禁じえなかった。
「留吉さん ……久しいのでしょ? 地上人の雌ならともかく、“天女”とは元より天女の“出来損ない”とすら?」
当初、留吉主導の正常位での交わりは、いつの間にか騎乗位へと状態を入れ替えられていた。
まだ15、6歳にしか見て取れぬ容姿の少女が妖しくも艶めかしい腰使いで、長きにわたり“地上の少女”たちを引き裂き貫き続けた陰茎を苛ませる。
淫靡に陰茎を咥え込む腰使いとは対照的に、留吉の視線の先で揺れる胸元はくすみひとつなく、まるで穢れを知らぬ少女そのものと言えた。
(なさけねぇ、俺様とした事が、全くもって情けねぇっ。あっ、あぁぁぅぅあ、○○っ、さ! ま!?)
まるで重力を無視するかのように双球の膨らみは、美しいまでに半円球状の形を保ち揺れ動き、留吉の心を魅了しはじめていた。
留吉の想いが、遠く昔に諦め忘れ去ったはずの想いが、古の昔に記憶した“悦び”を呼び覚ます。