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そして純情姉弟の恋模様(クラス1-AC)
【学園物 官能小説】

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思い出作りパート3-1

【思い出作りパート3】

披露宴が終わり、2次会までにはまだ時間が有った。オレはその時間を利用して結衣をホテルに呼び出していた。

呼び出す名目は『利用者に当日有効のサービス券をくれるそうだよ。せっかくだからホテルでリッチなデザートでも食べようよ』と適当にでっち上げたが、素直な結衣はそのオレのウソを信じた。

オレは興奮冷めやらぬクラスメート達と一旦離れて、待ち合わせ場所のホテルのロビーで、1人ポツンと待っていた結衣に声を掛けた。結衣はオレの顔を見て安堵の表情を浮かべたが、直ぐに戸惑い顔で聞いてきた。

「結婚式、どうだった?」

「ああ、良かったよ。女の子は全員感激して泣いてたよ」

「そう…」

結衣は感情を見せずに、そう返しただけだった。

ふう…

そんな結衣の手を取り、人目の多いロビーから移動した。騙してまで結衣に来て貰った目的の場所は、ホテルのブライダルコーナーだ。思ってもみなかった予想外の場所に、案の定結衣はますます戸惑っていた。

そんな結衣を横目にしつつ、昨日、面会した担当者に声を掛けた。

「お待ちしてました。千尋さんの披露宴、無事に終わったみたいですね」

「はい、真下、喜んでましたよ。スタッフの皆さんのおかげですね。それに凄く綺麗でした」

社交辞令ではないが、オレなりに労いの言葉を掛けた。

「ありがとうございます。そう仰っていただくと、お手伝いさせていただいて良かったとつくづく思います」

さすがホテルの人だ。オレみたいなガキを相手に丁寧さは崩さい。

「ところで、こちらが昨日仰ってられた方ですか?実物の方が数倍可愛いいですね」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

結衣を褒められて嬉しくなったオレは、ペコンと頭を下げた。

「はい、佐々木様からも、くれぐれも頼むと言われてますからお任せ下さい。とても可愛らしいお顔立ちですから、ウエディングドレスが良く似合いますよ」

「ちょ、ちょっと裕樹くん、一体どういうことなの?」

それまではわけもわからず黙っていた結衣が、さすがに言葉を挟んだ。

もうおわかりだろう。オレは結衣にウェディングドレスを着て貰おうと思って、結衣を呼び出していたわけだ。

それを思い付いて、佐々木から今回の披露宴の担当者の名前と連絡先を聞き、昨日、連絡して直ぐにアポを取って訪問していた。

オレにとって好都合だったのは、このホテルのブライダルコーナーでは、大幅な利用者拡大を図るために、この夏から結婚式の衣装で写真を撮ってくれるサービスを新規で立ち上げていたことだった。

そして更に嬉しいことに、モニターとしてこのコーナーに写真を飾ることを条件に、無料でそれを行ってくれることになったんだ。

『稲川さんとこの彼女なら宣伝効果抜群になりますよ』

昨日、この担当者は、オレのスマホに写る結衣のにこやかに微笑む画像を見ながらこう言ってくれていた。

多分佐々木の口添えが有ったかもしれないが、貯めているこづかいで足りるかを心配していたオレは、これを聞いてホッと安堵した。

そんなことを全く知らなかった結衣に説明をした。

「夏休みの思い出作りに、記念写真を残そうと思ってね。ホラ、思い出作りパート3」

「だからって、ウェディングドレスだなんて…」

オレの説明を聞いても結衣は戸惑ったままだった。しかしこの反応は想定の範囲内だ。オレはオレに対する結衣の依存性を利用して、少々強引に押し進めることにした。


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