愛人は人妻、そしてその娘が・・・-8
9.
真一は、両親に改めて梨花との結婚を申し込むまで、今日のことは伏せておくように、梨花に言い含めた。親というものは、相談もせずに子供が勝手に決めると、腹を立てるものだ。
翌日、会社から帰ると、机の上に封筒がおいてある。梨花からの手紙だ。
<真一さん、今日は有難うございました。
貴男に愛されて、生まれて初めて女の悦びを知りました。
真一さんを信じて、真一さんの妻として暮らせる日が来るの待っています。
朝、お出かけを、部屋の窓からお見送りします。近所の人に知られたくないので、手を振ったりしないでください。
愛する真一様 梨花>
数日後、真世と居間で愛を交わした後で、事の次第を打ち明けた。
「いよいよね。おめでとう、梨花をよろしくね。貴男なら、安心してお願いできるわ」
口とは裏腹に、真世の目は寂しげで、名残り惜しげに真一の男根を握って放さない。
「真世さん、前にも言ったように、僕は真世さんを忘れられないよ。機会はは少なくなるけど、真世さんとの愛は続けていきたいんだ」
「本当にいいの、うれしいわ。主人があんなだから、真ちゃんには本当に助けられたのよ。ありがとね」
次の週末、真一と梨花は、両親の前に手を付いた。
両親の祝福を受けて、梨花が卒業次第に式を挙げること、仲人は真一の会社の上司にお願いすることなど、とんとん拍子に話が進んだ。
住居はいづれローンで手に入れることとして、当面は今真一のいる離れをベッドルームとして、梨花の部屋も使っていいということになった。
結婚式を前にして、真一は、真世から生理が止まったと告げられた。まさかの妊娠と心配したが、結局、真世の排卵が終わり、生理が上がった証であった。
梨花は、正式に婚約をしたことで、結婚準備で大っぴらに真一の部屋に長居をするようになり、時として真一とベッドを共にした。
両親も、見てみぬ振りをしている。