愛人は人妻、そしてその娘が・・・-10
11.
結婚式が済んで、両親と新夫婦の二世帯住宅の生活が始まった。
時を同じくして、父親が勤務先で昇進をして管理職に付いた。
以前のような出張や残業は少なくなり、週末も家に落ち着く時間が多くなった。
真一たちがベッドルームに引き上げ、灯りが消えると、両親の寝室も灯りが消える。
耳を澄ませば、あちらとこちらから、悩ましげな声が漏れてくる。
「早く、真一さんの赤ちゃんが欲しい」
梨花の強い希望で、結婚初夜から避妊はしないで自然に任せた。
真一のリードと、梨花の真一を想う心が重なって、夜を重ねるごとに、梨花の女は花を開いた。
一月もすると、真一の腰を抱いて、ヨガリ声を上げるようになった。
「あなた達に刺激されたのか、このごろ主人が元気になってねえ」
キッチンで顔を合わせた真世が、真一にウインクをして見せた。
梨花との営みが忙しく、真世との接触が遠のいていた。
正直、真一はホッとした。
梨花から、妊娠したと告げられた。
「病院に行ってきました。間違いないわ」
「よかったね」
「嬉しいわ、それで、今度一緒に病院に行ってください。妊娠中の夫婦生活とか色々説明があるんですって」
「梨花、赤ちゃんが出来たって?」
キッチンで、真世に声を掛けられた。
「おめでとう」
「有難うございます」
「あのねぇ、浮気は駄目よ。これから妊娠、出産、育児と旦那様は粗末にされて、つい出来心なんて世間にはよくあることだけれど、我が家には私がいますからね。用があったら、私に言って頂戴よ」
生理が終わったのに、ますます色気が出てきた義理の母、真世が、艶っぽい目つきでウインクをした。
「ええ、その節にはよろしく〜」
ウインクを返す真一の雁首が、ヒクッと疼いた。
(ごきげんよう)