声に惹かれゆく-1
〜声に惹かれゆく〜1
「ぅー疲れた…。」
カバンを放り投げ自室のソファーになだれ込む椿。今にも眠りに落ちそうだ。
就職して1年、憧れのブランドショップで働き始め、華やかなお店とは裏腹に過酷な現場仕事。
年末に向け残業続き、明日は久々の休日である。
「椿、居たのかよ!
おつかれー\(^o^)/」
「なんであんたはそんな元気なわけ?とゆか、女の子の部屋開ける時はノックしろ!て言ってるでしょ!アホ!!」
蓮はインディーズバンドのボーカル。
ヴィジュアル系の為、見た目も派手で落ち着きがない。
ほわっと柔らかいイメージの椿とは似つかず、骨格のくっきりした目鼻立ち。
ボーカルなだけあって異性が放ってはおかない容姿であろう。
アルバイトとボイストレーニング、音楽中心の生活。まだまだ自立は厳しいのが現状である。
家賃、家事、半分という条件で、実家を出ている椿の家に転がり込み、2人暮らしとなった。
「んだよ。機嫌わりーな…椿の着替えみてもなんもねーし。」
扉を閉めキッチンへ向かっていく足音。
それでもなんだかんだ仲の良い姉弟であり、悪態もつくが、疲れ果て八つ当たりされるのも慣れている。
蓮の足音は遠のいていた。
(…隆二と3週間も会えてないな…。
もう寝てるよね…。)
最近、連絡が取りづらいのは気がかりだが、通話を押すのをやめ、眠気のなか隆二を想い浮かべた。
明日は久々の休日という余裕から、
自然と膨らみの感触を味わう…。
弟に聞こえぬよう、控えめな吐息を漏らし始めた。
「んっ…はぁ…ぁん…」
眠気より身体の奥深くから湧き上がる“ジィーン”とする感覚に支配されていく。
慣れた手つきでブラだけを抜き取り、すでに尖っている突起を指の腹で転がしていくと、さらに硬く変化するのが指先に伝わる。
(…コリ…コリコリ…)
時折、爪先でカリカリと…
すっかり突起はピンピンになっている。
「はぁ…はぁ…」
(…コリ…コリ…カリカリ…)
「…んっ…はぁん…」
腰を揺らすとソコに触れずともヌルヌルとする感触に疼きを高めていくのだ。
瞼をつむり自身で与える刺激だけに全身を集中させる。なんとも艶めかしい姿である。
自然に指先は下へ降りてゆきショーツの上から触れていく。
くちゅ…
(…凄い…。忙しすぎて触るヒマもなかったもんね…。)
全神経を研ぎ澄まし、さわさわと溝に指先を這わせ、ヌメリはショーツまでも浸食し自らの音に興奮を加速させる。
くちゅ…ぷちゃ…
「…はぁん…んっ…」
ぷちゅ…ぶちゅ…ぐちゅ
(…これじゃ足りない…。)
「んっはぁ…はぁ…ぁん」
身体はいい加減高ぶりきっている。
ショーツ越しに確認できる程“ぷっくり”していることに気をとられ、爪先で引っ掻いていく。足先まで痺れる熱に腰のうねりは増すのだ。
爪先が離れれば腰が指を追い…
爪先が当たれば腰を引きたくなる。
ここまでジンジンと疼いたら、もう止まらない。止める余裕などないのだ。ショーツの中へ指先を這わせ“ぷっくり”と膨らみきっている所を、ぬちゅ…ぬちゅ…こすり上げ、攻め立てる。
「…あっあん…んっ…」
「…りゅーじぃ…んっ…はぁ…」
ぐちゅ…ぬちゅ…
声を抑えることもままならず、頬を紅潮させ1点の刺激に下半身は硬直していく。
扉を挟み目の前に立っている蓮にも気付かずに…
「…あっあぁん…んーっん…」
くちゅ…ぬちゅ…
「ぁんあっ…んっはぁ…」
ぐちゅ…ぐちょ…ぬちゅぬちゅ…
ねっちょりと溢れだし、自身で開かせたソコはビクビク収縮を繰り返す。急激な脱力感とともに絶頂を迎えた。
(…はぁ。1人ではちゃんとイケるのに…。)
彼氏がいるにもかかわらず、いつもモヤモヤと残る性欲に、小さなストレスを感じていた。