週末の恒例行事-2
それ以来、週末の夜は姉弟でセックスを楽しむようになった。オレの部屋でする理由は、結衣の部屋よりも1階に続く階段から離れていたからだ。
階下から両親の声が聞こえなくなってしばらくすると、結衣の部屋の扉の開く音がした。
ベッドで寝そべりながら待っていると、扉を開けた結衣が、そうっと顔だけを覗かせた。自分を見つめるオレと目が合うと、結衣は恥ずかしげに口を開いた。
「ねえ、電気消してよぉ…」
もちろんニヤニヤしながら当然のように応じた。
「やだよ。そのまま入ってこいよ」
「もう!裕樹くんのバカ、このまま帰るからね」
結衣が真っ赤な顔をしてオレを詰ったが、一向に気にしなかった。
「どうぞ」
待ちに待った2人がイチャイチャできるこの時間を、結衣が逃すわけは無かった。もちろんオレもだけど。
「裕樹くんのイジワル!」
少し涙目で結衣はもう一度詰ったが、結局覚悟を決めて部屋に入ってきた。しかし灯りの下で全身を晒す時間を極力短くするためか、素早く駆け寄りオレに抱きつこうとした。
しかし、それを許すと折角結衣に頼んだことの楽しさが半減する。
「ストップ!」
オレは手をあげて結衣の動きを制した。
慌てて止まった胸がオレの目の前で魅力的にプルンと揺れた。
「もうやだあ…」
結衣は慌てて全裸の胸と股間を隠した。そう、オレは予め、『全裸で来い』と結衣に言っていたんだ。
これが少し前、肉体関係になったばかりの頃だったら、この手の頼みごとは気の強い姉は許してくれなかった。
実際、肉体関係になった翌週末に同じことを頼んだことがあった。
「調子に乗るな!そんなことできるわけないでしょ!」
その時はペシリと頭を叩かれた。
しかし、体を重ねるにつれて、結衣の態度に徐々に変化が現れ始めた。日を追う毎にオレへの想いが募り、姉弟間の気安さや、勝気な性質が徐々に薄れていったみたいだ。
それを顕著に示しているのはオレに対する呼び方の変化だった。今までは『裕樹』と呼び捨てにしていたが、ある時期から『裕樹くん』と甘えた声で呼ぶようになった。
少しでも恋人関係の要素を感じていたかったのだろうが、オレを呼ぶ時の熱く見つめる結衣の目線が堪らなくてゾクゾクした。
そういった経過を経て、今では恋人に対するような恥じらいを見せつつも、嫌われたくない一心でオレのエッチな要求も大方は叶えてくれるようになった。
「オナニー見せて」と頼むと、何だかんだと言いながらも、真っ赤になった結衣は、恥ずかしそうに足を開いてその行為を見せてくれた。
初体験の時は、まだまだ『姉の要素』が多くを占めていたので、恥じらいの部分では物足りなかったが、今では恥ずかしさに耐えながら喘ぐ結衣の姿に興奮を覚えた。
結衣とのそんな関係を夢見ていたオレにとっては、凄く嬉しい変化だった。
しかし、困ったことも有った。恋に恋することに芽生えた結衣は、学校の行き帰りに人目を憚らずに手を繋ごうとしたり、家の居間で寛いでいる時も、とにかくオレの横にベッタリとくっついてきた。
どうやら恋心と共にオレに対する依存性が芽生えてきたようだ。そして結衣のそれはかなりのモノだった。
「裕樹くんが傍に居ないと寂しくて変になりそうなの…」
ソファーに座りテレビを見ていると、直ぐに結衣も横に並んで座り、親の目を盗んでは、キスを求められることもしばしばだった。
自分達の部屋で2人っきりで居る時は更にベタベタとしてきたが、気さくな母親がノックもせずに入ってくることも多く、その時は揃ってうろたえるはめになる。だから、自分達の部屋でのスキンシップは、両親が確実に寝静まる週末以外は注意が必要だった。