36章-3
美冬が達したのを確認した鏡哉は己の迫りくる射精感に駆り立てられ、まだがくがくと腰の上で震える美冬の中をがむしゃらに突き上げる。
「ひゃあっ! ―――っ!!」
まだ達して間もないナカへの愛撫に、美冬が声にならない悲鳴を上げ続ける。
断続的にイキ続けているらしい美冬の中は、信じられない力で鏡哉を締め付ける。
(い、イくっ―――)
眉間に皺をよらせた鏡哉が美冬の子宮に熱い飛沫を注ぎ込んだ時には、美冬はぷつりと意識を途切れれさせて鏡哉の腕の中へ落ちてきた。
鏡哉は荒い息を吐きながら、汗に濡れたその体を慈しむように抱き寄せた。
「美冬……ずっと、ずっと愛している――」
鏡哉はそう甘く呟くと、その切れ長の瞳をゆっくりと閉じた。
世の中なんて、
自分の意志でどうにでもなる。
あの頃の自分は、本当にそう思っていた。
けれど君に出会ってしまった自分は今、
自分の思い通りにならない絶望と幸福の間を彷徨いながら、
がむしゃらに生きている。
だから、ずっとずっと一緒に歩いて行こう。
死が二人を別つまで――。
《完》
ご愛読、ありがとうございました。