36章-2
今日の明け方までは自分に縋り付いていた腕は今はシーツの上に投げ出され、イキ過ぎてもはや力の入らない身体は弛緩したままシーツに横たわっている。
大きく割り開かれたままの美冬の足に再度体を潜り込ませると、鏡哉は尖らせた舌で美冬のナカに侵入していく。
熱くひたひたに潤ったそこは弛緩した体とは違い、ゆるゆると鏡哉の舌を締め付けてくる。
美冬の弱い後ろ側の入り口に擦り付ける様に舌を這わすと、また美冬が喘ぎ始めた。
「ぅんん……は、ぁ……ぁあん……イや……」
また嫌と口にした美冬を虐める様に、鏡哉は膝の裏に当てていた腕にぐっと力を入れると、お尻を持ち上げた。
美冬からも見えるように秘所をさらけ出すと「美冬」と呼びかける。
焦点を結んでいない視線が、徐々に見下ろしている鏡哉へと注がれる。
ようやく視点のあった美冬の瞳が自分のピンク色の秘所を目にした途端、ひゅっと息を飲み込んだ。
美冬と見詰め合った鏡哉は形のいい唇から舌を差し出すと、ゆっくりと膣口へと捻じ込んだ。
「やぁっ!? ぁあん―――っ!!」
まるで見せつけるかのようにずぷぷと音を立てて沈められる舌に、美冬が嬌声を上げて果てた。
イってひくひくとひくつく膣口と内壁にキュウと舌が締め付けられる。
舌を抜き取って美冬の顔を上から覗き込む。
はあはあと荒い息をする美冬の目の前で「入れられるの見て、イっちゃったの?」と意地悪く聞けば、美冬はとうとう涙を零して「ち、が……」と訴えた。
美冬の淫猥なその泣き顔で鏡哉の嗜虐心にさらに火が付く。
後で口を聞いて貰えなくなるほど拗ねられると分かっているのに、虐めずにはいられなかった。
鏡哉としては、やっと念願の美冬が身も心も自分のものになったという喜びで湧き上がった途切れることのない欲望を、これでも押さえているほうだった。
「じゃあ、このまま入れてあげる」
端正な美貌に厭らしい笑みを浮かべた鏡哉は、天を向いたままの美冬の秘所に未だ硬さを保った己の雄をあてがう。
舌とは違うそれを押し付けられた美冬が涙に濡れた瞳でこちらを見たのを確認した鏡哉が、腰を落としていく。
二人の目の前で繰り広げられようとしているあまりにも卑猥な光景に、美冬は目を見開く。
「やっ!? だ、だめぇええ〜っ ……やぁ――っ!!」
小さな膣口がめいいっぱいに開き男の欲望を銜え込んでいく様を初めて目にした美冬が、悲鳴を上げる。
美冬によく見えるように浅いところをぬぷぬぷと出し入れしていた鏡哉だったが、美冬が目をぎゅっと瞑ってしまったのを見てくすりと笑った。
(虐め過ぎたかな……)
力を入れてベッドに押し付けていた両足をゆっくりと開放すると、正常位で深く挿入してやる。
まだ達して間もない美冬の媚肉が鏡哉を絡め捕り、逃さないというように蠕動する。
しばらくそれを味わっていた鏡哉は、ゆっくりと美冬の内壁を擦り上げ始めた。
「ぁ……ああ……ひゃぁ……はぁん……」
昨日の晩から数回休憩を挟みながら抱き続けた美冬のそこは、もうどこを突いても気持ちいいらしい。
浅いところで出し入れをすると、切なそうに鳴く。
深く子宮口を突き上げると、息を詰めて背を仰け反らす。
片足を抱え上げて横向けに寝かせてねっとりと腰を擦り付けると、美冬が力の入らない指先でシーツを掻きむしるように爪を立てる。
緩んだ口元から唾液が零れ落ちていた。
どこもかしこも弛緩し乱れまくっている美冬のそんな姿を見たのは初めてだった。
昔はすぐに意識を飛ばしていたが最近はその回数が減ったため、こんな美冬の痴態が見られたのだろう。
「あ……ぃゃあ……あぁ……ふ……ふぁん……」
意識が朦朧としだしたのか、美冬の喘ぎが甘くなる。
そろそろ意識を飛ばしそうな美冬を繋がったまま自分の膝に抱き上げると、ごつごつと下から突き上げ始めた。
「やぁ! あんっ……はぁ……ぁああ!」
最奥を擦りあげられる痛みをもともなう快感に、美冬の喘ぎが切羽詰まったものへと変わる。
それに合わせて美冬の蜜壷もまるで鏡哉を根元から扱き上げるように蠢いて纏わりつく。
「あぁ、とてもいいよ、美冬……」
すぐにでも自分の慾を吐き出さそうとするそれを振り切って、鏡哉は美冬の腰を掴んで最奥に己を捻じ込む。
「や、やぁっ、ダメ、やぁああああ―――っ!!」
ひときわ大きな声で鳴いた美冬は、がくがくと鏡哉の膝の上で痙攣し背を仰け反らせて果てた。