○○☆少女-1
「♪ねぇ、さっきの“滋養”も、私のこと美少女…… 少女って言ってたよね? 可笑しいね、わたしって、今年で25歳になるのにね」
『☆この星では、貴女位の容姿をした女性の事を“少女”って呼ぶんだよ』
「♪ふう〜ん、それじゃぁ、私は永遠に少女…… だからっ、永遠少女だね」
『☆んっ!? 正確には永遠と言う訳では…… 貴女が適切に生体エネルギー補給し続けても、この星の時間と言う単位で表現するなら一千万時間弱が限界。正確かつスマートに表現するなら、千年…… 千年少女と表現すべきかな?』
「♪千年少女っかぁ? 何か、ちょっと良いフレーズだね!」
『☆エリコっ!? 貴女の思考にはこの八万時間近くで、かなりの変化が見られるわ。ずいぶんと変わったものね』
「♪それはお互い様で、あなたこそ9年前はひどい毒舌だったけど…… そんな事よりも、ここのところ地上人の雄ばかりで、最後に“矛盾”の末裔から吸収出来たのは随分前だね」
『☆それもかなりの劣化版で、何の“virus”…… 種子も宿して無かったわね。もっとも地上人の雄を“滋養”とするよりは、800%〜2025%は効率的だけどね。そう言った点で言えば、あの男、千章流行は特別な存在と言えたわね。貴女に…… 天女の末裔である貴女に、新たなる可能性を与えてしまったのだから…… 』
「♪それでも本来の能力の半分に過ぎなかった。本当にあの人が宿していた種子の半分! そんなの許せない、その能力の全ては私に能えられるべきだったはず。その権利が私にはある」
『☆その知識も葬ってきた“天女の末裔”、覚醒前の天女たちから得たものでしょ?』
(♪それでも…… まだ、足りないのよ…… )
少女は肌寒さを感じながらも、冬の夜空に煌めく星々を仰ぎ願うのである。
いつの日か、自らの願いが叶う事を……