○○☆少女-2
2015年1月30日 金曜日
23時52分
ここは某地方都市、繁華街より外れつつある…… 怪しげなネオンがゆらめく路地裏。
「こんばんは」
その場に似つかわしくない、透き通る声色に男は呼び止められ振り返る。
「えっ! あっ! ○△□・・・って? もしかして、きみがエリコちゃん?」
その容姿に動揺するも、瞬時に男の脳裏に幾つもの危険を予期する言葉が思い浮かぶ。
(っでも、もしかして、これが…… “神待ち少女”とか言うやつ? だとしたら、これは千載一隅のチャンス!)
そう思える程にその場に現れた少女は、男にとって願ってもない理想の相手と言えた。
「あのっ、どうかしましたか? それとも私の人違い?」
少女は嫋やかに首を傾げると、ほんの僅かに表情を曇らせる。
「いっいや、違うんだ。いや、違わなくて、僕がっ、そのっ、その、先程ラインの相手、です」
男は周囲を注意深く窺いながら、目の前の少女が援交相手である事を認識する。
男が買春行為をするのは今回で7度目であったが、これ程までに自身の理想に限りなく近い相手に出逢ったのは初めてであった。
援交、売春…… そんな単語が縁遠く感じられる程に、その少女は愛らしさと清らかさを漂わせていた。
(何れにしてもこんな娘を抱ける機会はそうそう無い。見た感じ…… どう見ても高校生。ちょうど、娘と同じ位の年頃だろうか? それにこんな清純そうなJKが今時いたとは!? まぁ、実際の処はどうだって良い、どのみちひと晩限りの相手、要は見た目が大事だ)
自身の理想の少女像を具現化した存在に男は舞い上がるも、それでも少女と並び歩きラブホテルのゲートを潜るまでは違った意味での緊張が解ける事は無かった。
「いやぁ〜、それにしても君みたいな娘(こ)がこんな事してるなんて、おじさんビックリしちゃってさぁ。何か疑う様な素振り見せちゃってごめんね」
薄暗い室内少女と二人きりになれて、はじめて実感の湧く男は自然と饒舌になりはじめる。
同時に下半身には、尋常ならざる緊張が漲る。
「シュルッ」
少女が羽織る仕立ての良いコートが滑らかな音と共に解かれると、特徴的なデザインの衣類が
姿を覗かせる。
「そっ、それって、君の通ってる学校の制服?」
男は見覚えのある女子校の制服に、驚きにも似た戸惑いを見せる。
少女の纏う制服はS女子校の物で、県内では名の通った有名私立校であった。
「こう言うのは、お嫌いですか?」
ひどく落ち着いた物腰は、まるで男の質問をはぐらかすかの様であった。
「いやっ、そんな事は無くて、どちらかと言えばその逆で…… 」
男は終始、少女に圧倒されていた。
実際のところ、少女が本当にS女子校の生徒であろうと無かろうとどちらでも良く思えた。
それ程少女の容姿と制服のバランスは取れ、互いを引き立たせあい良く似合っていたからだ。
もっともこれが二十歳オーバーの“なんちゃって女子校生”であれば興醒めも良いとこでイラつくとこであるが。
男の視線が改めて少女を足元から舐める様に這い上がる。
よくありがちな下品な超ミニでは無く、膝上数センチから伸びる両脚には気品が感じられる。
もっともそれは制服に包まれた少女自身、全体像から溢れ出る物でもあった。
身長は高からず低からず、部分的に覗く肌質はきめ細かく透明感にあふれ、整った目鼻立ちに腰丈まである黒髪は、美少女と呼べる基準を十二分に満たしている。
「そっ、それでなんだけど、君みたいな美少女とお願い出来るなんて夢みたいなんで、最初に確認したいんだけど、本当に良いんだよね?」
予想を大きく超えた少女の質感に、男は一瞬足元を見られまいかと迷ったが、どうしても少女を抱きたい衝動から、つい本音を吐露してしまう。
少女はその言葉にもはにかむ様な仕草を見せただけで、けして値踏みする事は無く見えたが……
「もちろん最初のお約束通りで良いのですが、その…… 何ていうか…… 」
顔を赤らめ俯く少女の仕草に、男の劣情は否が応にも高まりを見せる。
(おっと、やっぱり来たか! 思った通りっ! これだけの少女だ。やはり3枚では無理か…… それでもこの状況なら逃げられる事は無い。それにどうせなら気分良く抱きたいものだ。あと、あと…… プラス3枚までなら気持ち良く応じよう)
男の脳裏に財布の中の枚数が思い浮かび、にわかに少女との関係が現実味を帯びてきた。