て-7
しばらくお互いにシャワーの下で抱き合って息を整える。
やがて石島さんが私の身体をシャワーで流してくれた。
自分もさっと汗を流して軽く拭いた私を抱き上げて
夜景が見えるベッドに運んでくれた。
「凄く綺麗な夜景ですね」
「やっぱりベッドはここだろ」
自慢げに言うけど・・・
こんなリビングの窓際にベッドを置いている人なんか
いないと思うけど。
「こんな夜景が毎日見られて良いですね」
心の中で笑う私を置いて、石島さんが立ちあがった。
少しして帰ってきて、私の手のひらに何かを落とす。
「いつでも見においで」
それはたぶんこの部屋の鍵。
それが正式な彼女への招待状に思えて。
ギュッと石島さんを抱きしめた。
「これ、返しませんから」
そう言えば、
「良いよ。由香里以外にこの夜景を一緒に見たいオンナなんかこの世にいないから」
そう小さく笑った。