「すき?」〜BEAUTIFUL HOLIDAY〜-7
−−−数刻後。
「あれ?朝食パンなの?」
へーたが、冷め切ってしまったチーズトーストを頬張りながらそう言った。
「え?へーたパン嫌いだっけ?」
私は、コーヒーを用意しながら答えた。・・・確か、へーたはパン好きだったはず。昨日もサンドイッチ食べてたし、家にも常備してあるくらいだし。
「亜由が、『朝はご飯と味噌汁!』って言うから、昨日米炊いたと思ったんだけど・・・」
あ。そういえば。
昨夜、『朝食はどうする?』と言う話で、私は『ご飯と味噌汁!!』って言った様な気がする。そしたら、へーたがお米洗ってセットしてくれてたっけ・・・すっかり忘れててた。
「・・・ごめんなさい」
私は、しょんぼりしながら、謝った。私が『朝は米!』っと言っておいて、パンを用意してしまったんだ。申し訳なさでいっぱいになる。
へーたは、優しく笑うと、「いーよ。亜由がご飯作ってくれただけで嬉しい。」
と、言ってくれた。うう・・・へーたは優しい。こんな簡単なご飯だったらいつでも作るよ。
「・・・ありがとう。」
感謝の気持ちいっぱいになりながら、私はへーたに向き合うように座った。
「だけど、亜由ってパンが好きなんだな。昨日も寝言で、『ジャムおじさん』って言ってたし。どんな夢を見てたの?」
へーたはニヤッと笑うとそう言った。
「ぶっ!・・・ゴホッゴホッ」
私はビックリして、口に含んでいたコーヒーミルクを噴出した。
「わ、私そんな事言ってたの?!」
寝言を言っていた事も衝撃もさることながら、どんな夢って・・・言えない。特にへーたには。へーたがペーターの格好していたなんて。
「・・・覚えてない。」
私は、目を泳がせながら、そういうので精一杯だった。
「・・・ふぅん。まあいいけど。」
へーたは、訝しげに私を見ながらそれ以上は追求しなかった。・・・ほっ
「ところで、米の責任とってくれる?」
へーたは目玉焼きを頬張りながら、そう言った。
「責任?」
・・・やっぱりへーたは怒ってるのかな。私は不安そうに答えた。
「ご飯食べたら、おにぎり作って海でもいかない?まだ寒いから、海には入れないけどさ。」
へーたはニコリと笑うと、今日のデートの誘ってくれた。
「行く!」
もちろん私は即答した。
こんなへーたとの日々が、ずっと続けばいいな・・・
完