ジェニファー語り(4)-1
そのうちに、ナディーカさまの命により、わたしは調教そのものも手伝わされる破目になった。
「ほら、リリア・ミアヘレナ。どうだ? ――感じるだろう?」
柔らかな
複雑な笑みでわたしを見つめ、調教される立場ながら、わたしに落ち度がないように努めてくれるようになった。ナディーカさまがご観覧するときは難しかったが、それ以外は彼女の努力がうかがえた。乳首を吸うことを要求され拒否したことがあったのだが、そのときは特にそう振る舞ってくれた。
それまでリリア・ミアヘレナを特に意識したことがなかったわたしは、
(なるほど、パーフェクトだ‥‥)
とその気遣いに感心し、彼女がナディーカさまを一方から支えてくれていることを頼もしく思いもした。
これまでは、彼女のどこかすました態度から、自分とは気が合わないだろうと思ってきた。軍学校は出たが叩き上げのわたしと、メイド養成学校を首席で卒業したという彼女との違い。そう思っていたのだが、コンジャンクションが終わったら彼女といろいろ話してみよう、という気になった。
またわたしは、調教とは別に、本来の側近として、ナディーカさまがおもに宣伝省から受け取る情報に明るくなっていった。木星圏中の隅から隅まで映像を流し、自分も投票という形式でコンジャンクションに参加するのだという意識を全民に持たせ、そしてスガーニーの勝利と偉大さを全民に納得させなければならないのだ。そのための特別予算が組まれ、宣伝省は張り切っていた。
また、わたしはナディーカさまの命により、あの調教士と
オイオも調教士を召還したという情報は、早期に入手していた。情報は次々と寄せられ、おそらくオイオは、あの政権の要の人物を押し立ててくるだろうということも、知るところとなった。
ルリア・ミアヘレナ‥‥――。その女の名前を聞いたとき、わたしは胸の内に軽い動揺を覚えた‥‥。コンジャンクションに向けてわたしも戦意が湧き、各種の