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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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強い気持ち・強い愛-2

突然の真相告白に、目が点になったまま固まる俺。


頭の中で、疑問符がぐるぐる駆け回る。


なんで、そんなことをするのかさっぱりわからなかったけど、やけに顔が赤い沙織を見ていると嘘を言ってるようにはとてもみえない。


さっきまでの沙織が顔色悪く見えたのは、“倒れた”という先入観がそう見せたのかな、なんて目の前の沙織を見てボンヤリ思った。


……つーか。


黙ってこちらを見る彼女の表情は、赤らめた頬に涙で濡れた睫毛、潤んでいるせいで余計にキラキラして見える大きな瞳。


「…………」


可愛過ぎるんですけど!


久々に間近で見る沙織はやっぱり可愛くて、今度は俺が顔を赤くしてしまった。





「……倫平」


「ははははい!」


沙織がせっかく謝っているのに、彼女に見惚れていたのがバレたのかと焦る俺は、ついついどもった返事をしてしまう。


ちくしょう、ダセえ。


そしてそれをごまかすように笑って見せるけど、沙織は一向に真剣な顔のままだった。


「……倫平、怒ってる?」


「へ、な、何で?」


「だって、お酒なんて飲んでないのに、酔ったフリして倒れたりしてしまって……」


「ああ、何だ……」


てっきり、俺の邪な視線について何か言われるんじゃないかとビビッていたから、ホッと胸を撫で下ろす。


「いや、怒るわけないだろ、何ともなくて安心したよ」


そう言うと、安堵したのか沙織の表情が緩んで、


「よかったあ……」


と胸に手をあててはホウッと息を吐くのだった。


そんな彼女にフッと小さく笑い、恐る恐る俺も少し離れた位置に腰を下ろす。


あぐらをかいて組んだ手をジッと見つめていると、また気まずい沈黙。


そんな微妙な空気の中で、俺は沙織がなぜこんなことをしたのかをずっと考えていた。









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