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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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ためらう理由-10

人気のない公園、オレンジ色の夕陽が私達を照らす。

「連ったらそんな事を話したの?」
「巴ちゃん…。」

私と巴ちゃんの影がゆっくりと歩く。

「そうだよ、私は昔…アイツと付き合ってたんだよ。」
「……。」
「でも昔は昔、もう別れて今はただの知り合いだから。」
「巴、ちゃん。」
「アンタの恋が実るよう色々と考え応援してきたつもりなのに、まさか私の事でこんなに
若葉の目的を妨害する羽目になる何て…。」

目を細め、地面に力なく視線を落とす、責任を感じてんだ、私の為に。

「御免なさい、でもっ!巴ちゃんは何も悪くない!私が行き成り彼を気にしてしまったから…。」
「皮肉だねぇー。私の方こそゴメン。そんなに悩み苦しむんだったら隠さないで正直に言えば良かったね。」
「いやっ、そんな事態々言う必要ないし。」
「でも大事な事だもんね。」
「……。」

お互いそれから会話が止まり、それから彼女は口をゆっくり開き。

「…お互い反省はし合った。でも、だから何なの?」
「えっ?」
「元カレは元カレでしょ?さっきも言ったけど私とアイツはもう赤の他人、他に好きな人が出来ようが私には全く関係でしょ…。」

確かに、そうかも知れないが、私は体育館での事も打ち明け、まだ未練があるのではないかと尋ねる。

「アンタ…良く見てるねぇー。」
「ゴメン。」
「何謝ってるのさ、それだけ私の事を気遣ってくれたんでしょ?」
「それは…。」
「ないよ!未練何か……って言ったらウソになる、正直、あるよ。」
「……。」
「時よりアイツの事を想ったり、いけないと判っていてもつい足が体育館に。」

やっぱり。間違いであって欲しい事実が本当であり愕然とするのと同時に、彼への想いに
ブレーキを掛けて良かったとホッとする。

「でもね!そんな自分を変えようとしてるの。」
「!」
「最初アンタがドーナツ店でアイツに気がある事を知った時、正直何てこった、って戸惑った…。でも、後でそれは良かったって思えたの。」
「どうして?」
「だってそうでしょ?ここでアンタとアイツが結ばれたら私だって区切りがつくでしょ」
「あ……。」
「心配してくれてありがとう!…、だけどね私の事は気にしなくて良いから。思う存分
自分の想いに正直になって、突き進んで。」
「巴、ちゃん……。」

行く手を塞ぐ高く大きい壁が音を立てて崩れ、そこに道が出来たような気分。これで私は佐伯君としっかり向き合える。

後は、自分との戦いだっ!

第3話へ続く。


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