30章-2
こんなに濡れている自分を鏡哉はどう思っただろうと彼を覗き見ると、鏡哉は何かを我慢しているような顔をしていた。
「美冬……」
切なそうな声が鏡哉の口から洩れる。
シーツを握っていた手をおずおずと鏡哉の首に絡ませると、鏡哉からちゅっとおでこにキスが落とされた。
いつの間にか下着から下げられて片足に引っかかっていた。
暖かい指先がゆっくりと美冬の割れ目を辿る。
膣口の上を撫でられたとき、美冬の体がびくりと震える。
入り口に浅く入れられた指が、美冬の感じる後ろ側を掻くようにゆるゆると第一関節分出し入れされる。
「やっ、あ、ぁあ、ふぅ」
美冬の潤んだ唇から短い喘ぎが漏れる。
後ろ側を擦られるとその奥が疼き、でもそこには刺激が与えられず、切なくて神経が焼き切れそうになる。
「気持ちいい?」
耳元でそう囁かれ美冬の顔が朱に染まる。
執拗に耳元でそう繰り返され、美冬はおかしくなりそうだったが恥ずかしくて肯定できない。
腰ががくがくと震え、全身の神経が虐められているそこに集まる。
ぐりっと強く掻かれたとき最奥がぎゅっと締り、美冬は「ひゃうぅぅっ!!」と可愛い声を上げて果てた。
全身が弛緩して、ベッドに沈み込むように体を投げ出す。
しかし美冬の最奥だけはゆるゆると蠢いて、断続的に快感が襲い震えが止まらない。
あまりの刺激に怖くなった美冬の大きな瞳から涙が零れる。
「美冬?」
心配そうな顔をした鏡哉が美冬の体を擦る。
その刺激だけでまた達しそうになり、甘い声が止まらない。
美冬は必死に鏡哉の胸に縋り付いた。
「欲しいの?」
上から降ってきた問いかけに、訳のわからなくなった美冬がこくこくと頷く。
それを確認した鏡哉がいつもの彼らしくない焦った様子でファスナーを下し、自分のモノを取り出した。
視界の端に入ったそれは既に立派に勃ち上がっていた。
密壺の上を行き来して蜜を絡められる行為だけで、美冬は泣き声を上げる。
腰を抱え上げられたと思ったら、待ちわびた鏡哉の雄が美冬の中に分け入ってきた。
ぎゅうぎゅうと締め付けてくる美冬の膣内を鏡哉が苦しそうに息を吐きながら付き進んでいく。
体重をかけて切っ先を最奥まで捻じ込まれたとき、美冬の中で何かが弾けた。
頭の芯が痺れ、あまりの気持ちよさに思考が真っ白になる。
ふわふわとした浮遊感が全身を襲い、自分がどこかへ行ってしまいそうで怖い。
唯一力が入る膣をぎゅうと締め上げてしまい、頭上から鏡哉の苦しそうな声が聞こえた。
「美冬、もっと力抜いて」
そう言われるが自分の中はやっと手に入れた鏡哉を離さないように、鏡哉の雄に絡みついて離れなかった。
切羽詰まった息が鏡哉から漏れたと思ったら、秘芯を引っかかれた。
「ひゃうんっ」
朦朧としていた美冬が目を見開いて叫ぶ。
腰にずくずくとした快感が襲ってきて、美冬の密壺がゆるゆると蠢き始めた。
やっと少し緩んだ美冬の中を鏡哉がゆっくりと行き来し始める。
「あ、あん……や、やぁんっ」
美冬が髪を振り乱して喘ぐ。
上の中側を固い切っ先で擦りあげると、息を止めて背を仰け反らす。
今までにない美冬の乱れ方に、鏡哉はもう限界だった。
膝立ちになり美冬の腰を持ち上げると、力任せにがんがんと突き上げ始めた。
「ひっ、アっ……ぁ――、あぁん」
付くたびに美冬の白い胸が揺れて鏡哉を誘う。
奥を抉る様に何度も突き上げると、美冬が悲鳴を上げて達した。
また壮絶な締め付けが鏡哉を襲う。
「くぅ……っ!」
鏡哉は腰を動かすこともできず、美冬に扱きあげられながらその最奥に欲望の飛沫を吐き出した。