25章-3 壁際から立ち上がると、バスルームへと足を運ぶ。 「高柳……親父のとこいくぞ」 顔だけで振り返って高柳を見下ろすと、少し不安そうな瞳の高柳と目があった。 その表情に、鏡哉の口からふっと笑みが零れる。 「あんのクソ親父! 覚えてろ!」 そう吐き捨ててバスルームに消えた鏡哉を見て、ようやく高柳は胸を撫で下ろした。