私を奪って、ご主人様-3
「一つだけいい? 龍くん」
「なに?」
「最後は私が下で、あなたが上。イくときはぎゅって抱きしめて」
「ほんとにオーソドックスだね。でも俺もその方がいい」
龍はゆっくりと春菜を抱きしめ、ゆっくりとベッドに横たえた。そして彼女の眼鏡をそっと外し、サイドテーブルに置いた。龍は静かに唇を春菜のそれに重ねた。
ついばむように唇を重ね合いながら、龍は春菜の髪を梳かした。そして左手を頬に、右手は彼女の後頭部に当てて、自分の方に引き寄せながら強く唇を押し当て始めた。おもむろに口を大きく開けて、彼は春菜の上唇を挟み込み、舌で舐めた。そして何度も口を大きく開いたり閉じたりして、春菜の唇を、舌を、顎を舐め、吸った。
ゆっくりした動きでその行為を続けていた龍は、ようやく春菜から口を離して小さく息を吐いた。温かく、甘い香りのする吐息が春菜のまぶたを通り過ぎた。
「素敵……」春菜は夢みるように小さな声で言った後、興奮したようにまくし立てた。「素敵、素敵っ! 龍くん、キス、絶品だね……」
「そう?」龍は微笑んだ。
「私、初めての時にこんなキスされてたら、絶対龍くんに走ってた」
「大げさです。春菜さん」
「ケンのキスと同じ……ああ……もうとろけそう……」春菜が目をつぶってそう呟いた時、龍は春菜の背中に回した手でブラのホックを外した。そして弛んだブラをずらしながら左の乳首に舌先をそっと触れさせた。
「んっ……」春菜が顔をゆがめた。
龍は口をとがらせてその乳首を強く吸った。
「んああっ!」春菜はびくん、と身体を仰け反らせた。
龍はブラを取り去り、右の乳房を手のひらで包みこみ、初めはゆっくりと、次第に力を込めて揉みしだき始めた。そうやって龍は春菜の右と左の乳房を口と手で刺激し続けた。
春菜の身体の中で熱い奔流が渦巻き始めた。
「あ、あああっ、りゅ、龍くん! も、もうイ、イきそう、あ、ああああっ!」
龍は口を離して両手で左右の乳房を握り、人差し指と中指でぎゅっとつまみ上げた。そして同時に春菜の口を自分の口で塞いだ。「んんんんんーっ!」春菜の身体が硬直した。そしてがくがくと痙攣し始めた。龍は、乳房を掴んだ手も、口を塞いだ唇もそのまま離すことなく力を込め続けた。
長い間身体を震わせていた春菜は、龍が口を離した途端、はあっと大きな息を吐いた。
「も、もう! 龍くんったら……」
「気持ち良かった? 春菜さん」
「すごい……。私バストの刺激でイったの初めて……」
「そう。良かった」
「とろけるようなキスからバスト……、巧みな連続技」春菜は困ったように眉尻を下げて、龍の鼻の頭を小突いた。「さすが龍くんだね。おっぱいの匠。真雪のおっぱいをいつもああしてあげてるの?」
「そうだね。真雪のおっぱいは、いつも念入りに愛してあげるんだ」
「真雪のはやりがいがありそうだね」
「でも、春菜さんのおっぱいって、感度いいね」
春菜は恥ずかしげに言った。「う、うん。ケンにもそう言われた事がある……」
「ごちそうさま」龍は笑った。