求愛リスト-7
10.
半時程経った。
正彦は、そろそろ帰らなければと、真帆の身体を放れた。
ベッドの縁に腰を掛け、男根に張り付いたティッシュをはがす。亀頭に、淡雪のようなティッシュが残る。指先を唾で濡らして、擦る。
「細身の女も好いもんだな」
どちらかと言うと、むっちり、ぽってり好みの正彦であったが、真帆とオルガスムを共にして、食わず嫌いの先入観に支配されていたことを、反省した。
(かぐや姫か)
楚々とした恥毛から、すんなり伸びた乳房へのカーブ。 無邪気で、気品の漂った肢体。どこかのお姫様を思わせる。そうだ、かぐや姫だ。かぐや姫が裸になったら、きっとこんな身体をしているに違いない。
ピンクの綿あめを掻き分けるように、真帆の意識が戻ってきた。
「正彦さん?」
ベッドの中には、正彦の姿はなかった。
(奥さんがいるんだから、仕方ないわね)
たった今までの正彦との燃える抱擁が、絡み合った筋肉の余韻が、身体の節々に残る。一人残されたベッドに、諦めきれない想いが漂う。
股間がウズウズとぐずる。手を伸ばすと、乾きかけた愛液が、べたべたと指先にまとわり付く。
「好かったあ」
真帆は声に出してみる。どうせ誰も聞いてはいない。
「好かったあ」
声が耳に戻ると、あの蕩けるような絶頂感が、蘇ってくる。
考えるまでもなく、あいつのセックスは何だったんだろう。子供まで作った中なのに、こんな悦びを一度でも味合わせて呉れたことがあったかしら。
別れたことを、全く後悔しなかったと言えば嘘になる。別れてしばらくして、火照る体を持て余し、掛け布団を抱いて乳房を冷やしたこともあった。
女は我慢が出来ると聞いていたが、自分はそんなタイプではないことを実感していた。
盛りのついた雌猫のように正彦を誘ってみたが、まさかこんな快感を味わうことになるとは、予想をしていなかった。
「癖になりそう」
たった今、別れたばかりの、正彦の裸体が愛しい。
せめて朝までいてくれたら。
漸く汗の引いた腕を、身体に巻きつける。
「正彦さん」
腕を絞ると、乳房が盛り上がる。
肩に唇を寄せ、吸ってみる。塩辛い。心地よい刺激が乳首に向かって走る。
そっと噛んでみる。お小根が疼く。腿を閉じて、じっと耐える。
「もう一度、イキたい」
あの激しい絶頂感をもう一度。
お小根が、指の間で揺れている。
ビラビラを指先で開くと、新しい粘液が溢れてくる。
粘液にまみれたお小根を、指先が摘まむ。
ヌルヌルと、指の間を滑る度に、酸っぱい疼きがお小根に満ちてくる。
「ああぁ、マサヒコ」
指先が激しく揺れる。
お小根が弾けた。
「ウウゥゥッ」
押え込んだ手の中で、お小根は更に愛液を漏らして、震えた。